かるとばこ

カルトのブログ

2023年好きなアルバム・好きな声優楽曲9選

ハロめぐ〜

 

カルトです。
普段は音楽を聴いたり、アニメを見たり、クラブに行ったり、アプリ「Link!Like!ラブライブ!」を通して蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブの皆様を応援したりして暮らしています。

 

DJもしています。

soundcloud.com

去年はDJとして、色んなイベントに出させてもらったり、主催イベント(闇のアニソンクラブイベント、通称 #dアニマ)を開催させていただいたり、様々な機会や出会いをいただきました。感謝…。

 

(以降は自分語りなのでスルーしてOKです)

特にdアニマは、声優楽曲を聴き二次元コンテンツを愛好するかたわら、オルタナティブ電子音楽やロックを聴いてきた人間として、一つの集大成ができた気がしています。

「あらゆる手段を総動員して、あなたが見ている、感じている景色を時間芸術として見せてほしい」というのが、あらゆるDJに対する思いなので、つまりは「あなたのアニメが見たい」ってことなんですよね…分かりづらいご依頼に応えてくださった出演者の皆様には本当に感服しました。

またやりたい、やります。

そういった経験もあってか、リスナーとしては、音の質感・味だけでなく、曲やアルバムの持つストーリー性というか、構造・展開としての快楽への関心が強まりました。
そして、その両取りができる作品をよく聴いた気がします。

 

また、下半期はラブライブ!の新シリーズ「蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ」にドハマりして生活を破壊しています。
何をやっているかというと、月2回のストーリー更新、週3回の生配信、ラジオ、声優番組、出演声優のニコ生の視聴、月2回のゲーム内イベントへの参加などです。
マジのガチで時間がなくなっています。また、金沢にスタンプラリーに行ったり、1stツアー全公演に参加したりもしました。
しんどいかと言われるともう体が最適化されてきて、単にめちゃくちゃ楽しいです。

行こうよ!
なんだってやっちゃえば楽しい
いまを頑張ることが楽しい
デコボコの道だって 大丈夫さ

Dream Belivers - 蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブMV より


ラブライブ!にリソース投下して何か得るものがあるのか、とかしょうもないことを考えるのは本当に野暮だと思いますよ。
新自由主義はカス。一瞬一瞬で一生なんですよ。
真剣に日々芸術と他者(ここに我々”蓮ノ空のこと好き好きクラブの皆さん”も含まれる!)に向き合う彼女らの姿勢に対してできる最低限が、彼女達に真剣に向き合うことじゃないですか。それで私が何らか成長したり、新しい何かを得られたら儲け物ですが、そんなことはどうでもいいでしょう。
今、俺は礼儀の話をしている。
というか最近「なんちゃらを通してなんちゃらが得られるコンテンツです!」みたいなの多くないですか?オタク側が勝手にそういう消費をしていたり…
さもしいですよ。真面目に向き合いましょう。ラブライブ!にも音楽にも芸術にも生活にも。


(以上、自分語りでした。ここからアルバム紹介に入ります)

 

ほないくで〜

 

2023年好きなアルバム9選

順不同です。

Hinemosphere - Lily Fury

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去年は人生で一番ファンアートやSSに触れる機会が多かった一年でした(蓮のおかげです)。特に「百合」と呼称され、時に自称するジャンルの作品が大半でした。そこで繰り広げられる想像力は、基本的に一人称のキャラクターが他のキャラクターに対して抱いている感情(好意、友情、愛情、嫉妬など)を推し量り、あり得たかもしれない行為・言動に落とし込んでいくものです。

マルチプレイヤーであり、百合のオタクでもあるLily Fury氏のEPは、アンビエントシューゲイザーオルタナティブメタル、ポストハードコアなどの多様なジャンルが幸福に混ざり合っています。ここで私が「幸福」と言うのは、一つのストーリーに貫かれ、ただ継ぎ接ぎされたのではない一貫性があるからです。本作は1人の少女ライカと1体のアンドロイドの物語が、「アンドロイドによるモノローグ」と「それに続く楽曲」と言う順序で展開されます。それぞれの詞と音が物語に寄り添い、祈り、やるせない怒り・絶望、もどかしさ、慈愛などの感情を描き出します。それも説明的なものではなく、想像の余地を残す力加減が素晴らしい。モノローグ=一人称による語りであり、話者がアンドロイドであることから、2人に関する情報はかなり制限されるのですが、時に激しく歪むディストーションギター、優しく包むアンビエンス、切なく響くアルペジオが、彼女たちの旅路を幻視させてくれます。

私たちは彼女たちのあらゆる表情を想像することができます。#4 Lilium Aquarium で眠るライカを見つめているアンドロイドの彼女、その無表情ながら悲痛さを湛えた瞳を想像して、私たちは涙することができます。Hinemosphereは優れた一次創作としての強度がありつつも、その余白と、叙景的想像力を喚起するサウンドで、私たちは同時に二次創作をしてしまう。二次創作を誘発することは優れた一次創作の条件とも言えるわけですが、音楽作品においてこのような体験をしたのは初めてでした。#dアニマに出てもらえたことは一生の誇りです。

 

Atlas - Laurel Halo

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何をどうやったらこの音が出力できるのか意味が分からないです。ピアノとストリングス、サンプル音源がリバーブの海で溶け合い、アートワークのような夕暮れどきの仄暗さと青さがチラチラと揺れています。テクスチャーだけで大大大大大好きなんですが、このアルバムのすごいところはそのキャッチーさにあると感じます。

キャッチーと言っても別に歌モノであるわけでも、明確なメロがあるわけでもなく、むしろ不協和音や予想できない展開など、一般的には聴きづらい要素の方が多いです。それでもこの音塊に惹かれてしまうのは、どの音もまるでそこにただ在って自然発生したかのような、開かれ方をしているからでしょう。一音一音が”ちゃんと”減衰し、霞んで、消えていく。押し付けるようなエモーショナルさはなく、ただ自分の回路に引っかかる情景が自ずと出力されてしまう。アンビエントというジャンルの現代最先端でありながら、アンビエントのこういうところが好きなんだよな…と再確認させてくれる作品でした。Disintegration Loops - William Basinskiと一緒に墓場まで持っていきたい一枚です。


Se Bueno - TURQUOISEDEATH

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いわゆる20年代以降のブレイクコアシューゲイザーの接近は去年あたりから言われて来ましたが、その総決算となる一枚です。客演に2 0 2 1、Parannoul、Asian Glow、BrokenTeeth、Astrophysicsですよ。全員いるじゃん… 20年代のシューゲを拡張して来た重要アクトが集結しています。 

特にParannoul、Asian Glowとの共作 #5 Diveが素晴らしいです。エモ、シューゲイズ、ブレイクコア、インディートロニカ全部やって甘美な墜落とでも言うような世界観を描いています。こんな曲聴いたことない…

そして、強いメンツが集まって強い曲を書いた、というだけで終わらないのがこのアルバムなんですよね。

www.youtube.comトレイラーにあるように、本作はアリスというTURQUOISEDEATHの持ちキャラ(?)で、アートワークにもいる少女の冒険譚となっています。詳しくはRYMのインタビューを参照してください。アニメやゲームからの影響を公言しているジャンルではありますが、こういった物語性の強い作品を出してくることはそう多くはなかったので、グッと来ます。そして、本作のバンドキャンプには”Write your own story.”と一言。痺れました… アルバムというものの可能性を感じた一年でしたが、それを象徴する一枚にもなりました。

 

つくる - ひとひら

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日本の若手シューゲ、ポストロックシーン面白いのでは?と去年kurayamisakaのアルバムが出るあたりで思い始めて、ちょくちょく国内の若手バンドを聴くようにしていたのですが、これが頭抜けて良かったです。ずっと本気で言っているのですが、MyGO!!!!と対バンしてほしいです。エモ、ポストハードコアのサウンドを中心に据え、内省的な日本語詞と、ポップセンスが光るメロディーを乗せるスタイルは両者に共通しています。(#6. 遠くなる (が戻る) /nothing にMyGO!!!!!の春日影を彷彿とさせるアルペジオがあってオオ〜となったりしました)

ひとひらの場合、エモといってもAmerican Football的なUSエモの影響を強く感じさせつつも、シューゲイズ、ポストロックの要素を織り交ぜるのが非常に巧みです。前提として、ギターの音作りがめちゃくちゃに上手い。轟音もクリーンも嫌らしくない温かい音で構成されています。時にシャウトを織り交ぜながらも、淡々としたボーカルは、しっかり歌詞が聴き取れるようにミックスされています。このバランスはどことなくJ-Rock的でもあります(ひとひらがどんな国内音楽から影響を受けているかはかなり気になっています)。
歌詞の世界観は、オタク的で申し訳ないのですが、閉塞した地方都市に住む女子高生が主人公のアニメを想起しました。試しに「ワンダーエッグプライオリティ」を無音再生しながら、聴くとめちゃくちゃ合う… というか#12 こわす、完全に「ワンダーエッグプライオリティ」では?凄… 今一番アニソンを書いてほしいバンドです。

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t - Samuele Strufaldi, Tommaso Rosati & Francesco Gherardi

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2023年の何も分からねえけど好き枠筆頭。聴くたびこれになっています。

どういうメンバーでどういう編成なのかとか書こうかと思ったけど、エレキングのこれ以上のことは分からなかったので以下読んでください。

www.ele-king.net

映像見た方が早いかも、マジでかっこいいです。

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急に全然知らない音が鳴って面白いのと、展開はかなりポップなので、気軽に聴けてしまい、聴くたび首を傾げています。狐につままれる系のエクスペリメンタル。前半はそれなりにシリアスですが、後半はユーモアも覗かせて、最後は泣ける曲で締めるというアニメ的展開も憎めないです。


Revanchist - Evian Christ

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音がデカくて最高です。寡作の天才がようやく出した1stアルバム。ハイパートランスが隆盛しクラブで聴く機会が増えたような気がする2023年でしたが、彼のアルバムはトランスの範疇に止まらない、宗教的な興奮を与える一枚でした。2023年の最初に行った現場が某野外レイブで、Ultra (Yung Sherman Remix) - Evian Christを聴いたのもあり、去年の思い出深いアーティストです。歪みやリバーブの彼方に見る恍惚はシューゲイザーの感覚とも通底します。
あとこれは直接関係ないんですけど、本作を聴いている過程で、Spacemen 3 がやろうとしていたこと、つまりファズ踏んでシンプルなコードをクソデカい音でかき鳴らし続けるのって、実はトランスの恍惚を得たかったんじゃないか?という気付きがありました(妄想かもしれませんが)。アッパー系変性意識の方がシラフの人間にも響きやすいという感覚があるのですが、来年ぐらいまではそっちが流行るかなあ…Spacemen3は解散後、超ざっくり言うとSpectrumとSpiritualizedに分裂して、変性意識へのアプローチをそれぞれ変えるのですが、2024年以降のトランスがどうなるのか注目していきたいです。


경치 - 경치(gyeongchi)

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韓国はソウルのアーティストっぽいのですが詳細不明。ご存知の方いたら教えてください。日常系アニメのサウンドトラックのような可愛らしさがありつつも、どこか一筋縄ではいかないグリッチやエフェクトの使い方で、聴き込むほどに味が出てくるエレクトロニカ〜トイトロニカ。Evan Callあたりと絡んでサントラ出してほしいなあ…
アンビエント萌えアニメでアホの子がアホなこと言い出した時に流れる曲→トロピカルな音ゲー的ハウスになる #7 mapleが特にお気に入り。
続けてくれたら絶対面白い作品を沢山出してくれそうで、応援していきたい作家です。

 

album.link

シカゴのエレクトロニックトリオのアルバム。足首まで水につかる洞窟の中、水面には明かりが浮かんでいる。その光は徐々に分裂したり、色を変えたりして形を留めない。そんな中一歩一歩、洞窟の奥へと足を進めていく。そんなダブアンビエントな一枚。仕事が丁寧すぎて笑えてくるぐらい、一音一音が研ぎ澄まされています。#3 Stadium Driveのパン振りとか… ここまで静謐で美しい音があると、それだけでなぜか勇気づけられます。Atlasと並んで2023年のテクスチャー大賞を与えたい傑作です。

 

Lamp - 一夜のペーソス

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榊原さんは声が良すぎるので声優やってほしい。自分はずっとLamp渚にて羅針盤のうたものサイケの文脈で見ていて、本作でもガッツリ幻想的なサイケデリアを描き出してくれていて圧倒されました。特にアルバム後半の#17 朝靄の中へから最終曲 未だ見ぬ夜明けの流れは圧巻でした。#17の琴をまるでシタールのように用いたカラフルな間奏あたりから意識がグラつき始めて、#18の分厚く丸いストリングス、#19の甘美なピアノ、#20の永井氏の多声ボーカルで向こう側に持っていかれます。
このアルバムのミックスの「丸さ」や「広がり」は、アナログな録音を頑張ればできるようなものでもない気がしていて、実際、インタビュー(https://tokion.jp/2023/11/30/interview-lamp/)でも「王道ではない」と語られています。分かりやすかった部分で言えば、例えば永井氏のボーカルを少し右にパンを振りながら、声にかけたエコーの残響は左にだけ返して空間を出す、といった工夫がなされています。聴くたびに心地よく、聴くたびに発見がある作品でした。

 

ぜえぜえ…以上アルバム9選でした。
他にも同じぐらい好きだった作品はこちら↓

Sol X Sempre - Blu Boi
Fukushima - Podel
MAKTUB - JJJ
MOMOKO blooms in 1.26D - MON/KU 
divine:analogue - c678924

好きな曲詰めるだけ詰めたプレイリストはこちら↓

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2023年好きな声優楽曲9選

去年も声優楽曲オモロでした。声優最高!

Lily (feat. nayuta) - Celestial Lily

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これより美しい曲は去年1曲も出ていません。完璧です。至上。イデア界から来たとしか思えない。フォーリーサウンドから始まり、nayutaの呟くような歌唱に両耳にベル、下からは謎の音塊となった重低音ベース。ボーカルは時折、グリッチされ、デジタルの粒子と化す。セリフパートから再び歌、ストリングスへと流麗に繋がるが、そこに待つのは崩壊。電子のカケラとなり、崩れさるその刹那の美しさ…レヴュースターライト?(何でもアニメくん)。

あまりにも凄い曲すぎて紹介する順番が逆になっていますが、Celestial Lilyはヴァイオリニストで作詞作曲編曲もこなす岩嵜壮志氏のソロプロジェクトです。岩嵜氏と言えば、はちみつと時空旅行。 - 遥そらというとんでもない名曲も手がけられています。去年も言っていた気がしますが、今後の活動が楽しみすぎますし、声の扱い方が非常に丁寧なので、どんどん声優さんに曲を書いてほしいです。


点と線 - 伊藤美来

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全国民がFODに加入したと言われている最高のきららアニメ「星屑テレパス」のOP。作曲編曲坂部剛様、本当にありがとう。坂部剛氏といえば、声優楽曲ファン的には山崎エリイさんの「ラズベリーパーク」や和氣あず未さんの「恋する日常」など、繰り返しを効果的に使った壮大な楽曲のイメージが強い作家です。「点と線」はまさに本領発揮でした。

モールス信号を思わせるパルスが特徴的なイントロから、3拍子で展開。サビ前に1番なら「想う、繋ぐ、届く。」と呟くパート、ここが凄い。楽器が抜けて、シンセパッドとピアノのアルペジオと声の楽器三つだけになるのですが、完全にこれロケット発車前のカウントダウンをモチーフにしてるんですよね。歌声とウィスパー声を被せているのも、緊張感があります。ここからサビ直前に「シュパン!」という発射音がさりげなく入って、一気にキック、ストリングスが奔流するサビとなる流れ、あまりにアニメすぎる!2:52からの間奏〜ラスサビの展開も素晴らしいです。ストリングスとキラキラSEが軽快に跳ね周り、ボーカルが「果てしない世界 キラリ照らす 光 宙の彼方」と歌いつつ、左右にパン振りされていく様子は、作中の重要な舞台である灯台を想起させます。この場所って、メインキャラクター4人にとって大切な場所で、特に物語の後半では成長の舞台になっています。ラスサビの歌詞の1番との差分、12話まで見ると彼女達の成長の軌跡を描いていることがわかるので、FODに加入して星屑テレパスをぜひ見てください。sakai asuka様のサントラをBD特典にした以外は最高のアニメでした!

 

https://twitter.com/rasuko_okuma/status/1737111265452212396/photo/1


❤︎ちゅーどく❤︎ - 陽向葵ゅか

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DLsiteを1秒でも使ったことのある方ならご存知であろう、同人音声界隈では知らない人のいない声優、陽向葵ゅか様。2023年内にDLsiteで発売された成人向け音声は300本を超えるようです(筆者調べ)。そして実はお歌もお上手なんです。でも、せっかくこれだけ音声作品に出られているのですから、それを活かした曲が聴きたいなあと想うのが人の欲。

理想的な形でかなえてくれたのは、作詞作曲編曲を手がける、おにきよ氏。自身が音声作品レーベルのレジスタンス和歌山の主催を勤めながら、楽曲制作もされています。そう、「【楽曲収録】絶対秘密だよっ?♪大人気アイドルのプライベートおまんこでドエロファンサすたーとぉっ♪~背徳密着エロエロさんどでい~っぱいガチ恋ぴゅっぴゅしてねっ♪~」で最高の声優2step「未熟な変光星」を産んだ作曲家とレーベルでもあります。

さて、❤︎ちゅーどく❤︎ですが、ストレートな萌え萌え4つ打ちかと思いきや、ピアノとスネアでジャズ感をキープしており、セクシー寄りな声と歌詞にマッチします。注目は2番というかセリフパート。ここでM向け音声、メスガキ音声、催眠音声のクリシェ的なセリフが右耳、左耳、中央上から聴こえます。そしてビートもトラップに変化。頭がおかしくなる。

❤︎ちゅーどく❤︎ MVのセリフパート部分

他にも音声作品的表現を活用しているパートや大胆不敵な転調など盛り沢山な楽曲で一瞬足りとも油断できません。それでいて全部陽向葵ゅかを表現する上でいらない部分がないというのが凄い。感服しました。


シュガー・シュガー・スパイス (キャラ歌唱版) - ヒタム・キャン (礒部花凜)、メイデナ・アンジェ (渋谷彩乃)、トキシッコ・ダナー (大地 葉)、ハナバタ・ノーキンス (鎌倉有那)、ノマ・ルーン (白砂沙帆)

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お前は不徳のギルドで誰が好きなんだよ!漏れは………トキシッコ………

お色気ギャグでいて、バトルものとしても成長譚としても楽しめてしまう謎の名作アニメ「不徳のギルド」。アニメ自体は2022年秋でしたが、曲は23年リリースなので含めさせてもらいます(鉄の意思)。

EDは栗林みな実さん歌唱、三好啓太さん作曲のアコースティックなスウィングポップス。三好先生の幅広いレパートリーの中でも、Cafe Parade - Delicious Delivery系統の、甘いストリングスが特徴的です。もちろん栗林さんの歌唱版も素晴らしかったのですが、最終話EDで突然キャラ歌唱版が流れた瞬間に号泣… がっつりキャラ歌唱で楽しそうに歌う声に、彼女達とのこれまでの日々を思い出しちゃって…そんでもってサビ中で転調するの嬉しすぎ。
加えて特筆すべきはリリース形態です。てっきりBD特典かと思いきや、サントラ収録、ダウンロード販売あり、フル歌唱(!)と、ありがたかったです。イイ曲がたくさん聴かれるのって本当に嬉しいですね。

音一会 - MyGO!!!!!

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MyGO!!!!!はアニメからがっつりハマってバンドリアニメの1〜3期も全部見ました。バンドリ、最高のアニメーション。要楽奈さん、長崎そよさん、市ヶ谷有咲さん、鳰原令王那さんが好きです。

MyGO!!!!!へ関心を持つきっかけになったのがこの曲でした。ガチでポストハードコアやってます!BPM200超え、ツインペダルでツービートを刻みながら、ポエトリーリーディングが乗る構成に、まずはこんな声優楽曲があるんか?!という感想を抱きました。確かにenvyっぽくはあるのですが、メタリックな要素は少なく、エモやメロコアの影響を強く感じます。他の曲だとKEYTALK銀杏BOYZと近いものがあったり、04 limited sazabysをカバーしていたり、音自体はエモ、パンクに影響を受けている日本のバンドの流れにあると思います。ライブも拝見しましたが、ギターの青木さんの立ち振る舞いってかなりメロコア系なんですよね〜 あと林鼓子さんのドラムが音量デカすぎて笑顔。
ポエトリーリーディングをやるポストハードコアバンドはいくつかありますが、MyGO!!!!!の特異性はやはりボーカル羊宮妃那さん(高松燈役)による鬼気迫る発声でしょう。単に声優ならでは、という範疇に止まらない、キャラクターが見てきた景色をよくよく咀嚼して、なんとか絞り出したような言葉に、ニュアンスに、胸がえぐられます。MyGO!!!!!のストーリーを知ってからは、より一層…「言葉」を大切にした燈が「言葉」によって引き裂かれる、それでもなお「言葉」を信じ続けている、だからこそ燈が書けたリリックだと分かり、涙腺がやられます。

この曲自体とは関係ないですが、お仕事に真剣な羊宮さんご本人のお人柄を知っていると、一言一言のニュアンスをよく噛み締めなければ…とMyGO!!!!!楽曲と向き合っています。羊宮さんのことをより知りたい方は、毎週火曜日20時からの超A&G+で放送中「A&G NEXT STEP 羊宮妃那のHOOOOPE!」を聴いて一緒に苦しみましょう。

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黎明を穿つ - トゲナシトゲアリ

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2022年を代表する二次元コンテンツのバンドは?そうですね、結束バンドです。では、2023年は?その通り、MyGO!!!!!です。では2024年は?そう、トゲナシトゲアリですね!(予言)

といっても、すでに23年時点で、Youtubeで「爆ぜて咲く」が1000万回再生されているので、もう流行っているのかもしれません。X(旧Twitter)のフォロワーは2,3人ぐらいしか聴いていないが…

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2024年4月放送予定のアニメ「ガールズバンドクライ」に登場するバンドの楽曲です。リアルバンドでも活動しており、バンドメンバーが声優も務めています。全曲agehaspringsがプロデュースしており、爽快なガールズロックを………全然やっていません…!暗いです!「既成概念ぶち壊し系エモり散らかしロックバンド」というテーマが掲げられていますが、ギャルバン!メロコア!のつもりで聴くと痛い目に合います。

ジャンルで言うと広い意味でポストハードコアなのかなあ…いわゆる鬱ロックという感じではなく、the cabs的な暗さです。歌詞世界は主に「自分自身」や「世界」に対する鬱屈した感情が歌われることが多いです。「黎明を穿つ」は対世界の曲ですね。めちゃくちゃバズった「爆ぜて咲く」は「君」が出てくる歌詞でしたが、トゲトゲでは珍しい方です。2023年の「世界」ってかなり終わっているんですが、「世界終わっているよ!」と言ってくれる二次元コンテンツ楽曲は、個人的な観測範囲内でかなり少なかったです。それがいいとか悪いとかではないんですが、トゲナシトゲアリのそういう姿勢、つまり「世界」に対して異議申し立てをするところがカッコイイです。このバンドが川崎を舞台にアニメやるんですよね、海老塚ちゃんは吉野家でバイトしてるっぽいし… 世界に対して、彼女らがどういう答えをぶつけるのか、4月のアニメ放送が楽しみです!

www.youtube.com海老塚ちゃん萌えなのだ、ルパともで狂う備えをしています。

 

ド!ド!ド! - みらくらぱーく!

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蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ所属のユニット「みらくらぱーく!」の楽曲です。以降は蓮ノ空のこと好き好きクラブ(蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブのファンの総称)としての感想が混ざってくるので冷静なレビューではない可能性があります。あと蓮ノ空のストーリーのネタバレが含まれる可能性があるのでご注意下さい

というか、個人ブログの感想なんて冷静である必要なんてないでしょう、どいつもこいつも澄ました顔で一、二行のレビューもどき書いて…お前ら本当にその曲が好きなの?RYMを縦に並べただけじゃね?いやそれは各個人の自由ですね、すみません。

さて、一聴すると一般的な電波っぽいアイドルソングで、実際その類の曲としてかなりクオリティが高いです。飛びポ、クラップ、コールアンドレスポンスでライブ中盛り上がれるのもいいね。大沢瑠璃乃さん(CV.菅叶和 様)の萌え声も嬉しすぎ。ライブ中萌え声が嬉しすぎて泣くことあるんだ…ってなりました。

この曲は「藤島慈さんが怪我でスクールアイドル活動を休止せざるを得ず、海外留学から帰ってくる大沢瑠璃乃さんの帰国を待ちながら一年あっためていた曲」という背景情報が加わってから、完全に泣き曲になってしまいました。ライブでイントロが鳴った瞬間に泣いてしまう…「ドン詰まりこそ 無敵になるモチベーション」って歌詞を踊れなくなってから書いていた藤島慈さんがさあ…それを大沢瑠璃乃さんがとびきり元気で優しい声で迎えるわけですよ…書きながら泣けてきました。とりあえず活動記録10話まで読んでください。

なんのレビューにもなっていなくて自分でもびっくりしています。

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パラレルダンサー - DOLLCHESTRA

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蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ所属のユニット「DOLLCHESTRA」の楽曲です。夕霧綴理さんという人間の話をする前に楽曲の紹介を。Chillhop的なイントロからゆったり始まり、サビでドラムンになる構成がかっこいいです。ドルケの中でも屈指の踊れる曲ですね。はい、楽曲についてはこれぐらいでいいでしょうか。もう楽曲のブログでもなくなってきました。

えっと、夕霧綴理さんって急にモチーフを持ち出して具体物を例にお話されることが多いのですが、彼女の繊細な言語センスが私はとても好きです。

この曲では、街(おそらく香林坊周辺)で相方の村野さやかさんとウィンドウショッピング中に、あれが似合うこれが似合うと話していたんですよね。1番で「わたし今夜パラレルダンサー」と歌われるのはガラスに写った私の姿のこと。「空高く羽ばたいて 願い全部叶えるダンサー」とは想像上の世界であれが着たいこれが着たいと話している様でしょう。

2番では、そこから空想の世界から戻ってスクールアイドルの世界に着地します。「キラキラじゃなくたって わたしずっとパラレルダンサー」。ここで言う「パラレル」って、鏡写しになるユニットの相方、村野さやかさんのことなんですよね!!!えー、鏡のモチーフを転換するのが上手すぎます。彼女たちが自分たちを「成長中なら良いじゃん」って評していること、「踊りましょうアーユーレディ?」→「OK」 って掛け合いしていることの美しさよ。

ドルケってお互いに欠けた部分があって、成長する部分は成長する、補う部分は補い合うというすごくいいバランスでここまでやってきたユニットなんですよ。この2人で行けるところまで行こう、スクールアイドルという芸術を魅せつけてやろう、「今ならすごいことが出来そうだ」という決意表明の一曲です。


素顔のピクセル - スリーズブーケ

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蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ所属のユニット「スリーズブーケ」の楽曲です。音楽の話も一応しておきますね。軽妙なギターリフが乗るイントロが印象的。乙宗梢さんはギターソロ結構弾きますよね、機械さんとの相性悪いけどツインリバーブ壊したりしてないか心配になってきた。カッティングが心地いいギターポップで進み、1番Bメロだけ突然トラップが入るところが面白いです(2番は普通にドラムアレンジ)。サビのメロディーとベースの動きが気持ち良すぎます。コード進行的にも面白いことをやっているらしいのですが、自分はよく分からないのでパスです。曲の話はこれぐらいでいいですかね。。。

えっと、蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブには、「伝統曲」という制度があります。スリーズブーケなどのユニット自体が、先輩から受け継いだもので、例えば2017年にもスリーズブーケがいて全く違うスクールアイドルが、別の曲を歌っていたのでしょう。で、過去のユニットが作った曲を「伝統曲」として受け継いでいくわけです。

「素顔のピクセル」は伝統曲で、流石にアレンジは最近やったのでしょうが、歌詞はほぼ当時のままだと考えていいでしょう。つまり、現スリーズブーケの日野下花帆さんと乙宗梢さんは、伝統曲のストックの中からこれが自分たちにしっくりくると考えてこの曲を歌うことを選択したわけです。「楽しいも大切も大好きも そこにある一瞬を永遠にしよう」「何ひとつ無駄じゃない ワンピクセルのかけがえの無い今」という歌詞は蓮ノ空の一瞬一瞬を大切に日々を過ごすというテーマにぴったりですが、過去にもこの一瞬をこんなにも切実に大事にしていた関係性のユニットがいた、ということが重要です。当時の2人にも、今のスリーズブーケと同じぐらい、煌く日々があったということ、その途方もなさにクラクラしてしまいました。考えてみたら当たり前のことです。有限の時間は過ぎ去り、当時のスリーズブーケはスクールアイドルを辞め、私たちはもう観測することが出来ません。でも、この曲でモチーフとされている写真のように、曲として残されたことで「そこにある一瞬」が「永遠」になった。ここに芸術の、メディアの普遍的な存在意義を思い知らされました。そして、この曲が蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ102期生乙宗梢と、103期生日野下花帆の曲として上書きされ、将来のスクールアイドルクラブに引き継がれるということの尊さよ…何度もアレンジを繰り返され、もう原型を留めなくなった524期スリーズブーケの素顔のピクセルを聴いてみたいものです。この曲が私たちにぴったりだと思う彼女たちと、日野下花帆さん・乙宗梢さんが繋がる、そんな奇跡を見てみたいと思いました。文化が継承されていくことの美しさってそういうことじゃないですか。破壊が絶対に伴うこと、それでも何かが残ることに、美しさがあります。

で、それで言うと乙宗梢さんが日野下花帆さんのことが好きすぎて書いた「Holiday∞Holiday」も伝統曲になる可能性があるんですよ。

www.youtube.comこの事実、嬉しいなあ。でも、流石にキモすぎるからないか…まあ、素顔のピクセルも「手を振る逆光の彼方 急ぎ足の街が 寂しがり屋にする 夜は長い 夢に逢うまでは」と、あまりに美しい日本語で、相方が好きすぎることを描写しているので、ホリホリもいつかまた歌われるのかなあ。こんな風に伝承の場面とその美しさを想起できた、ありがたい曲でした…

 

それ以外の声優楽曲で気になった曲を突っ込んだプレイリストはこちら!↓

open.spotify.com

 

以上2023年好きなアルバム・好きな声優楽曲9選でした。
2024年も楽しく音楽聴いていきましょう!
バイめぐ〜〜〜

 

2022年好きなアルバム・好きな声優楽曲9選

カルトです。

普段はSpotifyで音楽を聴いたり、dアニメストアでアニメを見たり、インターネットラジオステーション<音泉>でラジオを聴いたりして暮らしています。

DJもしています。

www.mixcloud.com

2022年は個人的にはDJでいろんな現場(声優楽曲、アニソン、電子音楽etc...)に出させていただいたり、県外にも呼んでいただいたり、活動や交流の幅が広がった一年でした。皆様に感謝…
リスナーとしては、CDに飽きてきたこともあってあまり買い漁らず、Bandcampで電子音楽掘る機会が増えました。でも、あんまり聴けなかったなあ…というのが正直なところ。。

それでも音楽シーンは国内・海外ともにバリ面白かったです。そんな2022年が終わるので、良かったアルバムと声優楽曲を紹介します。いずれも順不同です。


2022年好きなアルバム9選

 

Cremation Lily - Dreams Drenched In Static

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2020年代初頭の潮流として、聴取感覚と手法の両面からシューゲイザーが再発見されてきたと感じてます。前者は、オルタナティブ電子音楽における参照で、アンビエントグリッチ、ノイズ、リバーブシューゲイザーの揺らめきと漸近し、イーサリアルかつ苛烈な表現を生み出しています。手法としては、5th wave emoの文脈で、エモとシューゲイザーが相互参照する他、DAW上だけ製作された、ナマ感のない過剰なシューゲイズなど新しい質感が生まれてきました(完全に褒めています、Parannoulとかなんだかんだ好き…)。そんな認識のもと、個人的にもシューゲイザーを感じる音楽を聴いたり、シューゲイズDJユニットとして勝手に他人の曲にリバーブをかけて流したりしていた2022年でした。

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シューゲイザーを感じる作品群の中で、最も驚いた作品がロンドン拠点の作家、Cremation Lilyの8枚目のアルバムでした。もともとposh isolation周辺とも交流のあるアンダーグラウンドなノイズ、アンビエント作家で、年々手札が増えてきている印象はありましたが、本作はシューゲイザーはもとより、アンビエントブラックメタル、インダストリアル、ポストクラブが導入され、調和し、1作品として見事に成立しています。一貫して歌われる絶望と鬱、諦念が切実に、美しく響きます。Vaporwave以降のイーサリアル感覚を表現するのにブラックメタルやブラックゲイズ、シューゲイザーがここまでハマるとは本当に驚かされました。同様の感覚を纏う今年の作品では、The Ephemeron Loop - Psychonautic Escapismも挙げられますが、アルバムとしての完成度は本作を推したいです。特に#7 Selflessまでのあまりに映画的な展開は必聴。鬱屈とした夜に何度も聴き返してしまうであろう一枚です。

水仙サカナ(CV.奥野香耶), 北島とわ, 淡乃晶, あおのなち - 【終末百合音声】イルミラージュ・ソーダ 〜終わる世界と夏の夢〜【CV:奥野香耶

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「声」と向き合い続け、デバイスやメディアに革新が起き続けているアートシーンが音声作品周辺です。眠りや癒しのためのASMRや、アダルトな18禁音声が中心と思われがち(というか事実そう)ですが、オルタナティブな作品が出続けています。それは声自体へのエフェクトであったり、録音方法であったり、環境音へのアプローチであったり、趣向を凝らしたシナリオであったり、多種多様です。2022年現在、それらの革新の最前線を提示した作品がこのイルミラージュ・ソーダでした。

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教師であるあなたは、夏の教室に女生徒と2人きり。物語はそこから始まります。プールやセミの鳴き声といったモノの音は当然とばかりに自然そのもの、本作はそこに効果的な「音」や「音楽」が組み合わされています。ネタバレになってしまうので必要最低限の言及に留めますが、音楽担当の北島とわ氏の、命を削るような音への執念を感じました。ノイズ、シューゲイザーエレクトロニカの可能性がここでは示されています。そして、シナリオにも驚かされました。音声作品だからこそ体験できる衝撃であり、これまでの音声作品は、そのフォーマットゆえ実現できなかったことを本作は逆手に取って実現しています。また、奥野香耶さん…。私は声優 奥野香耶さんのファンですが、それを差し置いても、この難しい設定を捉え切った演技には称賛を送らざるを得ません。
(プレゼント企画でサインまでいただいてしまいました。家宝にしています。)


ややネタバレ気味のレビューはDLsiteに掲載しているので、関心のある方はご一読および試聴、購入を強く勧めます。

【20%OFF】【終末百合音声】イルミラージュ・ソーダ 〜終わる世界と夏の夢〜【CV:奥野香耶】 [SukeraSono] レビュー詳細 karutoさんのレビュー | DLsite 同人


Alexander Panos - Nascent

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音声作品を取り上げたばかりですが、これも「声」の作品であると解釈しています。エレクトロニクスとアコギ、ピアノの断片を継ぎ接ぎして作ったかのように聴こえてしまうかもしれないが、その実、緻密に構成されており、その柔らかく優しいアンビエンスと美しいメロディに身を委ねてしまいます。そこから漏れ出るように聞こえる声は、プリズマイザーやグリッチで加工され、どこまでが声でどこからがシンセなのか見失うほどに脱色されています。ほとんどが言語を失っており、まるで宇宙人から話かけられているかのよう。だからこそ#5 reasonsnotto、#8 Equinoxで聴こえる歌と詞は絶対者と意思疎通ができたかのような、ほとんど宗教的なカタルシスがあり、最終曲re:Turningで爆発します。

あなたと私は通じ合えないということは、互いを知る余白があるということ、今はその幸福を噛みしめたい。そんな気持ちになりました。アニメ『星屑テレパス』の音楽にはぜひAlexander Panosを起用してほしいです。



I want more than a moment
I am all that I’ve been
I want a future
Living in the present, I’ve
Let it all go passing by
Let it all go passing by

#5 reasonsnotto より

天花 -水分補給(Tenka - Hydration)

 

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小唄や純邦楽のサンプリングとビートで、失われた日本の風景を描き出した『怪談』『小町』『古風』を発表し、高い評価を得た冥丁。その別名義、天花としての本作は、これまでの日本伝統音楽のサンプリングではなく、ノンビートのアンビエントアルバムとなっています。霧の野山を分け入るような、細かな音の粒子が耳に優しい。小枝を踏み、セミの声を聴く。海に潜り、時化の波を聴く。イーサリアルな感覚を持ちつつ、どこからか自然の匂いが漂ってくる感覚は唯一無二です(本作の限定フィジカルにはアロマオイルが付属)。日本のどこかに存在する自然を、バーチャルに解像度高く置き換えたことで、聴き手として身の回りの自然の見え方が変わっていきました。その意味で今年を代表するサイケデリックな聴取体験でした。

loli 主語 - ガチ恋

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個人的な話で恐縮ですが、私は夏が嫌いです。暑いし、汗をかくし、虫は出るし、セミはうるさいし、雨も降るし、飯も冬の方が美味いし、最悪です。最悪にもかかわらず、世の人々はどこか夏をエンジョイしているように見えるのも最悪です。

フィクションの夏は好きです。広い空、青い海、水着美少女、夕暮れ、夏祭り、浴衣美少女。こんな季節があるのであれば体験してみたいです。そんなフィクションの夏、理想の夏に近づこうとするムーブメントが2022年の夏に流行した「ガチ夏」だったと思います。「本当の夏」をやろうとするのであれば手段は問われない。海に出かけても、アニメを見ても、曲を作ってもいい。自分も夏の概念に囚われてDJmixを作ったりしました。それでも、何かが足りない夏でした。

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そんな2022年夏、7月20日(水)K/A/T/O MASSACRE @FORESTLIMITでloli主語によるガチ恋ライブが行われました。ライブのみならずラブレターの朗読、キスノイズ、、恋の破壊的衝動と切実さが詰まったパフォーマンスは見た者全員に衝撃を与えました。

そこから約1ヶ月後にドロップされた本作は、恋の眩しさ、痛み、孤独感、覚悟が詰め込まれた濃密な13分間になっていました。「たまたま拾ってしまったクラスメイトのラブレターをこっそり読んじゃう感じで歌詞を見ながら聴いてほしい」とご本人は語っていますが、個人的な恋愛経験から書かれていると分かる一方で、普遍的な恋の感情も同時に描かれているとも感じます。実直なメロディー、語りかけるようなボーカル(ボーカロイド)、浮遊し包み込むテクスチャーは、純真な言葉たちをよりビビッドなものにしました。特別な夏、特別な時間は、「君」がいて、「君」への覚悟があってこそ訪れるのかもしれない。恋のきらめきと痛みを思い出す、得難い作品でした。

君への気持ち全て この夏に捧げようと思う
もしいつか君がいなくなっても
何度だって思い出せるように

#1 告白より 

quannnic - kenopsia

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"kenopsia"とは「普段は人で賑わっているのに、今は廃墟となった場所の不気味な雰囲気」のことを指すらしいです。

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東京在住の自分は、コロナ禍において、しばしばこの感覚を味わいました。そこにあったはずのノイズ(日常)がないことへの不安と対峙するために、ノイズをどう使うか。多くのミュージシャンが取り組んだ課題だと思います。本作において、quannnicはシューゲイザーと広義のエレクトロポップを土台に、hyperpop以降の音作りを見事に導入しています。音割れの使い方に(良い意味で)品があり、過剰に音をまき散らし続けるのではなく、閉塞感と離人感を与えることに成功しています。今後、quannnicという作家自身、およびこの音作りがどう進化していくのか非常に楽しみである。個人的には1人シューゲイズの先駆者であるKrausの反応が見たいところ。

kurayamisaka - kimi wo omotte iru

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東京・大井町のバンドがリリースしたコンセプトアルバムです。Youtube公式MVに記載の「あらすじ」は以下の通り。

「私のこと忘れないでね。」春休みも終わりを迎え、松井遥香は進学を期に故郷を離れることとなる。それは同時に、ただ1人の親友である向井あかりとの別れも意味していた。伝え切れたことなんて何ひとつないまま、発車ベルは鳴り響く。

人は誰しも友人と別れる/別れたことがあるでしょう。あなたは松井遥香のことを思う日があるかもしれないし、向井あかりのことを忘れていっている途中かもしれません。本作はまず、2人の別れからの距離感を、簡潔で力強いフレーズで描く歌詞が素晴らしいです。1番と2番の歌詞が同じだったり(#3 seasonsなど)、繰り返しを多用するのは、それだけシンプルで強い歌詞であり、演奏の展開で違う情景が浮かぶだけの余白があるから、だと勝手に思っています。音楽的には、日本の90sオルタナティブロックの影響を感じさせるシューゲイズ一歩手前のノイジーなロックが中心。訥々と歌う女声ボーカルは、感情的になりそうなテーマを扱いながらも、アツすぎず冷めすぎない絶妙な歌いぶりで、アンサンブル全体を引き締めている。#4 last danceのスローチューンもハマっており、今後どんなリリースがされるか楽しみなバンドの筆頭である。

Yung Lain - Like a Fallen Angel

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Yung Leanじゃなくて岩倉の方のLain。ジャンル的にはDepressive Breakcoreなのでしょうか?Bandcampで"Ambient Breakcore"で検索して出会ったアーティストで、この手のファ〜っとしたBreakcoreを1年通して探していたのですが、やっぱりYung Lain好きだなあ…となり選びました。若干トランスに接近する様子を見せており、そちらがイケてないのが心配(Boys Hotelとのスプリット最悪でした)。2023年もBreakcore周辺オモロいといいなあ〜頼みます!

さよならポニーテール - 夜の出来事

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去年、ある種の狂騒状態にあったシティポップリバイバルは流石に落ち着きを見せ、ポップミュージックの一つの型として収まったように思います。シティポップで再発見された「軽さ(機能性)と温もりの両面を持った、都市生活者に寄り添うポップス」を今またどうやるのか、というのは難しいお題。オルタナティブR&Bがその地位を担えるかというと、自分には背伸びが必要というか、ちょっとノれないところがあります。
そんな中、さよぽにの新譜はまさにその解を叩き出したんじゃないでしょうか?夜をテーマにした本作では、キリンジ土岐麻子的な成熟したR&B、ファンクがベースで、演奏は洗練されつつもリラックスしていて、いい意味で隙がある。アナログな録音(特にベース!)も素晴らしい。いつも通りのあどけないボーカルが歌うのは、終わった夏、クラスメイト、いなくなった(いなくなる)大切な人、大切な一瞬について。
“8月の熱波 蜃気楼たちのパッセージ”
アルバムがリリースされたのは12月、冬の夜に狂騒の夏(ガチ夏!)を思い起こしながら踊るために本作はあります。今はもう子供でなくなってしまった都市生活者たちは、失った何かを思い起こすためにポップスが必要になる、時がある。こんなにも「シティポップ」をやれているアルバムはそうそうないです。ラストチューン「明日のように君は」で喪失から優しく背中を押してくれる、その手つきの温かさでこの冬も乗り越えられそうです。



好きなアルバム9選は以上です。
それ以外の良かった曲でSpotifyにあったものは以下にまとめています。

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2022年好きな声優楽曲9選

声優楽曲掘り出して4年ほど経ちましたが、今年もオモロリリースたくさんありました。

大西亜玖璃 - ジェリーフィッシュな君へ

open.spotify.com今年度アニソンランキング第2位。声優が歌う歌の面白さに、声の活用方法が一般的な歌手のそれと異なることが挙げられます。それは意識的・無意識的な演技の導入によるところが大きいのですが、例外も存在します。大西さんは『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』の上原歩夢さん、『このヒーラー、めんどくさい』のカーラたむ等、演技でも一定の評価を得ている声優さんですが、今年発表された"ジェリーフィッシュな君へ"と"はじまるウェルカム"における扁平な、全ての感情を奪われたような歌唱は非常に独特です。俊龍作曲の、アップテンポで超ポップに設計された楽曲と相まり、巨大な無を聴いているような気持ちにさせられます。最高です。カップリングではしっとり切ない恋を歌いこなしており、この歌い方しかできない訳では全くないことを補足しておきます。ディレクションが入ったのか、そうであればマルコム・マクラーレンのような音響担当がいることになるが、一体何を狙ったのか… 今後出るアルバムがどうなるのか、とても楽しみです。

遥そら - はちみつと時空旅行。

open.spotify.com異常楽曲などと簡単に言ってしまうのは良くないのですが、初聴時の感想はまさに異常でした。遥そらはアダルトゲームの声優で近年はASMRも発売している方です。本楽曲の構成は以下になります。

まず遥さんのASMRから始まり、右耳左耳のアンビエントと並行(!)し、ワルツが歌われる。その後、またASMRが挿入されるが今度は催眠音声モノのそれで、ここからハイエータス・カイヨーテのような、現代ジャズのようなセッションパートに突入、歌を挟み、徐々にエレクトロポップになって終わる。このように何を言っているのか分からない構成なんですが、一曲に違和感なく押し込められており、恐ろしいったらない。作曲の岩嵜壮志氏は次年度以降も目が離せない作家です。

梅本佑利 - 萌え²少女 

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声優現代音楽。声優に喋ってもらったセリフ(「お兄ちゃん!」「いきなりこんなことされても困っちゃいますよ///」など)のwav音源の音程、リズムに合わせて、チェロが同じ音程、リズムを弾くという、言うなればwav音源とチェロの二重奏です。萌え²少女とは、その意味でwavとチェロの「2」でもあります。wavたむとチェロたむ、選べないンゴねえ… 同様の試みはライヒの『ディファレント・トレインズ』などでも見られ、作者も意識しているとのことですが、あちらが電車の音を再現しようとして、かなり成功してしまっているのに対し、萌え²少女のチェロソロ音源を聴いても萌え萌えできません。萌え声の本質とは何なのか、発声する主体(声優さん)に宿るのか。そもそも萌え声自体に萌えエピソードや萌えキャラクターが含まれているわけではないのに萌え萌えできるのはなぜか。声と音に考えを巡らしてしまいました。なお、本作のCVは非公表とのことです。

おにぱんず - 鬼ヤバっ!

open.spotify.com『おにぱん!』終わらないで〜! 素晴らしいアニメだった『おにぱん!』ですが、楽曲も素晴らしかったです。"おにパパパン!パン!"と"鬼ヤバッ!"の2曲とも、中毒性の高いサビとリズムにやられ、クラブでかかるたびに踊り狂っていました。作詞曲:辻村有記先生ありがとう…(伊藤賢先生もありがとう…)

特に"鬼ヤバッ!"はレゲトンを感じるトラックで、BPMを60落としてかければ、アニソン箱以外でもかけれるスタイリッシュな出来。なのにラスサビ転調する超アニソンでもあるのが嬉しいぜ… インストが出なかったためか、soundcloudにremixがあまり上がらなかったのが唯一残念。今からでも遅くないので出してください!

Don’t be Afraid - 伊吹橙真(CV.梶原岳人)、ひゅーい(CV.田丸篤志

open.spotify.com爆踊り楽曲2(ツー)。Aメロで2step、というか4/4 Garage、Bメロでトラップ入れてビルドアップしてサビで4/4になる構成が気持ち良すぎる。声質の異なる男声の絡みもまた良し。今年は男の踊り楽曲が大量にリリースされてありがたかったです。THRIVEのNight DrivingやFAB-ELのSugar&Honey、SwichのRomancing Cruiseなど爆踊りさせていただきました。来年もよろしくお願いいたします!

人生(咖山 喱人 / 神田駅(CV:菊池 幸利),雷電 遊生 / 秋葉原駅(CV:鈴木 裕斗) - +-×÷

open.spotify.com都市生活者を祝福する渋谷系。作詞曲:辻村有記先生ありがとう…2(伊藤賢先生もありがとう…2)
まんまピチカートファイブ「大都会交響楽」のオマージュで本当の笑顔になってしまいました。STATION IDOL LATCHは山手線の各駅の駅員が男性アイドルとして活動しているという設定のコンテンツで、大都会交響楽で称揚される都市生活の舞台そのものです(じゃあ秋葉原駅と神田駅のキャラクターに歌わせるのは…?渋谷駅でやった方が…という野暮はここでは措きます)。これがただのオマージュに留まらないのが、辻村先生なんですよねえ…

目を覚まして 巡る世界に
愛すべき物語 時計仕掛けの夢
運命とは摩訶不思議だと
過去と未来の交差点で
出会い別れが 渦を巻く
ガラパゴス スピード ドラマティック
Yeah yeah

電車・交通機関のネタを入れつつ、猛スピードで過ぎゆく不安定な人々の営みを「愛すべき物語」と肯定してみる手管がよお… STATION IDOL LATCHはイイ曲が多いプロジェクトなので、来年も要チェックです。

湊 大瀬(CV: 日向朔公)- 雪解

open.spotify.com『カリスマ』は2022年に局所的な話題を呼んだキャラクターコンテンツでした。自分は追えていないので、多くは語れないのですが、気になった方はこちらの記事をどうぞ。

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楽曲は1曲目"カリスマ1週間"がアップされた時から追っています。いい意味で過剰、やかましい楽曲が多いカリスマですが、"雪解"は落ち着いているいい曲だなあ、ぐらいに最初は思っていました。聴き込むほどに凄みが分かってきました。ボーカルは"内罰"のカリスマ、湊 大瀬。ピアノとプリズマイザーのかかったボーカルのサビメロから始まるのですが、声の重ね方だけでなくノイズ、パンを振るシンセといった丁寧な仕事が光ります。その後、プリズマイザーは外され、呟くように独白を重ねます。「聞こえる?」と君に問うパートでは、漏れ出たように「聞こえる?」「ねえ、聞こえる!?」とセリフが左右から囁かれます。次いで、サビに戻ってプリズマイザーがまたONになるのですが、入りとは異なり、「少しだけの痛みを」「大きな跡を」残した君に歌いかけるよう、はっきりと力強く響きます。これは歌唱もそうですし、巧みなコーラスワークの力もあります。James BlakeとBon IverのFall Creek Boys Choir を想起しました。このように編曲、MIXで声を丁寧に扱い、今までの声優楽曲にはなかった、声の魅力を引き出した傑作です。ドラマも聴かないと…

 

結束バンド - フラッシュバッカー

open.spotify.com邦ロック好きでしたか。自分は全然好きじゃなかったです。馬鹿にしてました。ちょっと尖ったバンドやっていると、周りのコピバンやってる大学生は冷ややかな目で見てしまいます。というかそうしないとやっていけない小心者でした。和解できたのはここ数年で、周囲が青春時代に通ってきたロックがよく分からないんです。いや、曲自体は知っていても、実感を持って熱く語れるわけではない。そんな自分でも漫画は楽しく読んでいた『ぼっち・ざ・ろっく!』のアニメ。一体どんなもんやねん!かかってこいや!と思っていましたが、いやあ…完敗です… ストーリー、演出の話もしたいのですが、そういえば年間ベストアルバムとかあげる音楽ブログなのでやめておきます。

結束バンドの音楽は、日本の00s以降のロックバンドの影響を感じる、メロディアスなパンク、エモ、パワーポップが基底にありつつも、メタル早弾き道を通ってきたぼっちちゃんこと後藤ひとりのギターが散りばめられています。「そこ、そんなピロピロ弾く必要ないんだよな〜笑 ぼっちちゃん萌え〜」といった気持ちで聴けます。ですが、"フラッシュバッカー"はぼっちちゃんが抑制を覚え、シューゲイズするギターと泣きのWeezer系ギターソロに泣かされます。そして歌詞がよお、、、アルバム1 曲目"青春コンプレックス"で「暗く狭いのが好きだった」と1行目に書いていた後藤が、「光る朝が 朝があまりに眩しい 眩しいからさ ちょっとさ らしくはない 未来も信じちゃうよ」と書いているわけですよ。結束バンドで、伊地知、山田、喜多、廣井、店長、その他大勢と出会って、後藤が演奏的にも、人間的にもどう成長したかアルバムを通して語られているわけです。自分が今まで通ってこなかった、ロックバンドの成長ストーリーにコロッとやられてしまいました。お見事、降参です。一生語れてしまいますが、最後に長谷川育美さんの歌唱について。ずっと喜多郁代であり、「結束バンドのボーカル」をやれていて素晴らしかったです。番組「長谷川育美・川井田夏海のなんあり」はマジで死ぬほど面白いのでぜひ課金しましょう。

上田麗奈 - アンダンテ

open.spotify.com1st EP『Refrain』は2016年12月に発売された冬の作品、2020年3月に春のアルバム『Empathy』、2021年8月に夏のアルバム『Nebula』、そして2022年10月に秋のアルバム『Atrium』が発売された。この四季を通して、音楽表現とは何か、表現したい自分とは何かを考えてきた、上田さん本人および「チーム上田麗奈」は、最終作において「肯定」をテーマに選びました。声優・上田麗奈が富山から上京し、今に至るまでの道のりを年代ごとに6曲に分け、それぞれの時期を見つめ、肯定していきました。

その中で、"アンダンテ"は他者を肯定しきれず、そんな自身も肯定できない、でもそれではダメだ、と現状を打破していく姿が描かれています。前作『Nebula』では挫折から克服までの過程で、時間をかけて一歩踏み出す姿が描かれていましたが、それとも違う、より他者とコミュニケートしようとする姿勢が絞り出すように歌われています。自身の今と未来も肯定していくために、他者と向き合う、他者にノイズを受ける自分を肯定すること。あれだけ『Refrain』では自分のことを何も語らないような音楽をやっていた上田さんがここまで自身の意思で、開かれた表現をしていることに畏敬の念を抱かずにいられません。次の活動がいつになるか分かりませんが、また上田さんがその美しい声で口ずさむ歌が聴ける日が来ることを気長に待ちたい、その日々を肯定できるものにしていきたいと思っています。


好きな声優楽曲9選は以上です。
それ以外の声優楽曲で聴きどころがあった曲は以下にまとめています。

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思ったより長くなりすみません!

2023年も楽しく音楽聴いたり聴かなかったりしましょう!では!

 

2021年好きなアルバム9選・好きな声優楽曲9選

カルトです。

普段は駿河屋でCDを買ったり、駿河屋でCDを売ったり、図書館でCDを借りたり、ゲオ55円セールでCDを借りたり、他人のSpotifyのプレイリストで見つけた曲をまるで自分が見つけたかのようにSNSで紹介したりして暮らしています。

 

DJもしています。www.mixcloud.com

 

本日は2021年の新譜で好きだったアルバムと声優楽曲をまとめていきたいと思います。ご関心あれば、再生ボタンを押していただければ幸いです。良い曲はたくさん聴かれた方が良いので。

 

2021年好きなアルバム9選

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※順不同です。

 

Sweet Trip - A Tiny House, In Secret Speeches, Polar Equals

なんと12年ぶりのアルバムリリース。シューゲイズとエレクトロニカの幸福な融合を試みてきた二人は、2021年にバッチリはまる音像で帰ってきてくれました。一曲目からMixが上手すぎて、舌を巻く… 軽やかにこなしているように聴こえますが、執念が滲み出ています。ニューエイジリバイバルからの影響を消化して、落とし込んでくれたのも嬉しいです。

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    Sewerslvt - we had good times together, don't forget that

    今年はAVYSSやforestlimit周辺のシーンで、J-COREやアニメカルチャーに影響を受けたオルタナティブなダンスミュージックの再評価と、それらを取り込んだ現行アーティストの活躍が目立ったと個人的には感じています。
    その流れで海外のWeirdcoreやCybergothと呼ばれるシーンをSpotify経由で聴き始めた時に出会った一枚です。多くを語ることは控えますが、ノイズ、ドラムンベース、ハードコア、アンビエント、全てを飲み込んで塗り上げた漆黒の天国、とでも言うべき崇高な作品です。

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    なお、彼女は自殺問題に取り組む団体への寄付を呼びかけるEPも今年リリースしています。ご関心ある方はぜひ。

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    butaji - RIGHT TIME

    こちらも痛切なラブソング集。前作、『告白』より外に広がる強度を持った、自身を見つめ認めた上での、「あなた」や「社会」とコミュニケートしようとする歌詞は、2021年に聴けて本当に勇気づけられましたし、ポップスにこそ担える役割だと感じました。

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    Kraus - View No Country

    USの一人ノイズロックユニットの3rdアルバム。ここ20年で出たシューゲイズを感じるアルバムで最良だと断言したいです。どこまでも突き進むような勢いは健在でありつつも、心地よいノイズは前作より一層耳を暖めてくれます。ギターはもちろん、ボーカル、ドラムの金物のミキシング全てが俺好みです。完飲。

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    Benoît Pioulard - Bloodless

    一時期毎晩のように聴いていたアンビエントアルバム。ローファイで太いテープの音だけで、ヤられてしまいました。ただ美しいだけでなく、時に苛烈、まるで自然の営みを焼き付けたようなノイズと低音に震えます。

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    和田彩花 - 私的礼讃

    個人的にシティポップとの和解?ができた一年でした。和田彩花のソロ1stは、彼女が見る"東京"を「あらかじめ決められた恋人たち」のメンバーを始めとする手練れ達と共に、自らの言葉と音で紡ぎ出した傑作です。都市と、そこに暮らす私たちの物語が匂いたつ、地に足ついたアーバン・ブルース。

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    Michal Turtle, Suso Saiz - Static Journeys

    自分のようなMusic From Memory(オランダのレーベル、初期は再発仕事が多くニューエイジリバイバルに多大な貢献を果たした)に愛着のある人間にとって、この二組の共演はカレーハンバーグ並みに豪華な組み合わせでした。内容も期待を裏切らず、静謐でありながら、お互いが自分の持ち味を存分に出しあっており、楽しんで作ったことが伝わってきます。

     

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    大嶋啓之 - epitaph

    同人音楽の活動や、近年ではゲーム『天穂のサクナヒメ』のBGMで知られる作家のフルアルバム。ボーカルに茶太を迎えた『睡眠都市』の世界観の延長線上にあるようでいて、精緻なサウンドはより孤高の高みにあるように聴こえます。サウンドエンジニアのbermei.inazawaの仕事は鋭利なヤスリのように、曲の輪郭を刻み込んできます。都市を描くには、何も現実の都市である必要はない、音楽の中でならどんな都市でも描けてしまう、ということを思い出させてくれた一枚です。

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    Beagles - mashi mashi

    日本の100gecs。マジで何?
    Spotifyで見つけた時の困惑たるや… メンバーのプロフィールページによると「流動的なメンバー編成による、男女混声サイケ・ポップグループとして活動をスタート。現在も流動的なメンバー編成は維持しつつ、音楽性はポップスからノイズ・アヴァンギャルドまで、枠にとらわれずに自由に音楽を作成しています。」とのことらしいですが、いや、枠にとらわれなさすぎる… 録音もヘンテコ(最高)だし… それでいて溢れ出るポップセンス… 今後の活動も楽しみです。

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    以上9枚になります。それ以外の楽曲でSpotifyにあるものは以下にまとめています。

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    2021年好きな声優楽曲9選

    続いて声優楽曲編です。声優楽曲とは、声優さんが歌唱している曲で本人名義、キャラソン問いません。こちらは曲単位で紹介していきます。

     

    桜乃美々兎 (CV: 小坂井祐莉絵)、水上 雛 (CV: 大森日雅)、犬吠埼紫杏 (CV: 長谷川玲奈) - Distortion (feat. Yunomi)

    Yunomiファンとしての贔屓を差し引いても、今年のYunomiさんの楽曲は出るたび驚かされた傑作揃いでした。去年の「恋のうた」(TVアニメ トニカクカワイイOP)からリズムや声への意欲的なアプローチをしていると感じていましたが、今年は周防パトラさんとの「イミグレーション」でのASMR的ボーカル、声ネタによるサイケデリア、船長との「Unison」でのポリリズムと恐ろしい多声ミックスで腰を抜かしました。そして「Distortion」では声優から多彩な声を引き出した上で、自由自在なエフェクトと偏執的エディットによって、電脳ゲロ甘悪夢を作り出しています。来年も健康には気をつけて、とびきりポップで、引き裂かれていて、自由な曲を作ってくれたら嬉しいです…

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    Aquors - KU-RU-KU-RU Cruller!

    昨年までも声優本人名義でのシティポップが増加傾向にありました。今年はキャラソンでもシティポップが増えました。代表格がこちら。メロが良すぎ。リバイバル以降のシティポップでも、基本はシンガーは1人でしたが、9人でサビを歌った時の多幸感は初めて知る感覚で新鮮でした。

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    内田彩 - Canary Yellow

    hisakuni × 内田彩コンビ最良の仕事かもしれません。ネオソウルのようでいて、フューチャーベースのようでいて、不思議な質感でありつつも、どこをどう切ってもhisakuni

    楽曲なのが凄いです。内田彩さんも伸び伸び歌ってくれていて嬉しいね。アニメEDとして完璧な機能性を持っているのにも2京点加点したい!

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    麻倉もも - ピンキーフック

    SHY MOMO

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    DIALOGUE+ - プライベイト

    「超!A&G+マンスリースペシャ稗田寧々の地に“ね”を張って生きたい」は聴いた方がいいです。制作陣とそれに応える彼女達には、まだまだ伸び代を感じます。来年もよろしくお願いします。CUE!のアニメも楽しみですね。

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    ここなつ2.0 - マーメイドペレパスィ

    ハイパーポップがとうとう声優楽曲にも来たか…と感嘆しました。いつ聴いても、チルな歌パートから、データ圧縮に失敗したような複雑骨折間奏でガッツポーズしてしまいます。これを説得力ある一曲にまとめたgaburyuさんの技量にも感服です。

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    天馬六華(CV:村瀬歩) - 午前六時のブギウギ

    今年は声優楽曲でインダストリアルが流行りました。いや、別に既成事実的に書いておけば流行るんじゃないかとか思ってないですよ?ほら、近藤玲奈さんとか森久保祥太郎さんとか赤尾ひかるさんのキャラソンとか…
    愛らしい声を演じることの多い、村瀬歩さんが金属的ギターの上で妖艶に歌うので喰らってしまいました。なお、「Clock over ORQUESTA」というこのコンテンツでは、1キャラクターに現実の姿と、ネバーランド(少年に変えられてしまう世界)の姿があり、後者のCVは金田朋子。同じ楽曲が、全く違うアレンジが施されていて面白いです。同コンテンツの朱鷺燈零士(CV:緑川光) - Null も名曲です。

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    上田麗奈 - プランクトン

    アルバム『Nebula』から。素晴らしい作品でした。挫折を知り、噛み締め、諦め、立ち上がる、それを他者を依り代にせず行う。そんな過程を描き出した、あえて言えばグロテスクなアルバムです。これを表現したいと、カッコいいと思って、実際にやってのけた上田麗奈さんは本当にカッコいいと思います。来年も応援します。

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    かやたん(CV:奥野香耶)-また

    思い入れが強すぎて、書けることがありませんが… 彼女のことを知っていても知らなくても響く、愛を歌った曲です。2021年12月末現在、フルを聴く方法はオタクの家のHDDを盗む以外ありませんが、いつか配信されると信じています。

    2022.02.23追記
    新曲とともに再販が決まりました。買いましょう。

     



    2021年出た声優さんのイイ曲は、まだまだまだまだあります。Spotifyにある分は、以下にまとめたのでよければお聴きください。

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    以上、2021年の好きなアルバム9選、好きな声優楽曲9選でした!

    来年も楽しいミュージックライフを過ごしましょう〜〜〜

     

    Why dig? How to Dig? 〜音源蒐集のススメ〜

    カルトです。

    普段はブックオフでCDを買ったり、図書館でCDを借りたり、GEOオンライン55円セールでCDを借りたり、TSUTAYAディスカスレンタルCDの優先順位を上下させたり、ヤフオクとメルカリとアマゾンマーケットプレイスを巡回して同じCDの価格比較した上で買ったりして暮らしています。

     

    声優さんの曲や、変なJ-POPでDJもしています。

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    本日は私が日々いそしんでいる声優楽曲のディグ(Dig)=音源蒐集について、ご紹介したいと思います。声優楽曲に興味のない方でも、音源集めている方なら参考になるかもしれません。

    ディグとは何か?なぜディグるのか?

    ※んなもん知っとるわ!という諸氏は、読み飛ばしてください!


    さて、weblio英和辞書によると、"Dig"とは

    「(道具・手などを使って)掘る、掘り起こす、(…を)十分に掘り返す、掘る、掘って造る、(…を)掘り出す、(…を)捜し出す、発見する、探求する、調べ出す」

    と定義されています。

    私は"ディグ"を「任意のコンテンツを掘り出す、捜し出す、発見する、探求する」という意味合いで使っています。コンテンツは何でもいいのですが、今回は音楽をディグ対象として話を進めます。


    「音楽を掘り出す、捜し出す」って言っても、そんなの音楽好きな人なら大なり小なりやっていることです。ディグの特徴って何なんでしょう。


    こういうよく分からない概念の話をする時は、似ている概念を引っ張り出して比較するやつやりますよね?やりません?一回やってみたかったんでやりますね。

    f:id:ka1uto:20210502233932p:plain

    ディグは、なるべく様々なアーティストの、様々な作品に触れようとします。

    声優楽曲で言うなら、

    聴く対象の幅広さ:女性声優も男性声優も、80年代から昨日のリリースまで

    掘り下げ度合い:本人名義のシングル・アルバム、ユニットの曲から、出演作のキャラソン、ラジオのOPED、BLCD等々

    てな感じです。縦横になるべく色々聴こうとするのがディグの目指す姿です。

     

    補足しておくと、別にディグが「正しい」とか「偉い」とかそんなことは1ミリもなくて、アティチュードの一つということです。ディグらなくても音楽を楽しめたらそれでオールOKなので…

     

    じゃあ、何でお前はディグっているのか、という話になります。

     

    いくつか理由はありますが、一番は「ディグの魔法」に出会いたいから、です。

    私が初めて「ディグの魔法」を感じたのは、数年前のある日、舞台はもちろんブックオフ290円棚でした。

    声優楽曲が気になり出した私がなんとなく手にとったCDは丹下桜さんの「Neo Generation」。そしてこの曲に脳天を撃ち抜かれるわけです。

     

    www.youtube.com

    前情報なしで買ったCDの中に、とんでもない名曲が潜んでいました。

    この時の興奮はいまだに忘れられないです。

    https://twitter.com/karuto0101/status/1235582822548717569?s=20

    https://twitter.com/karuto0101/status/1235582822548717569?s=20

     

    このような未知の良曲との出会いを「ディグの魔法」と呼んでいます。

    自分の場合はブックオフで出会いがありましたけれど、出会い方は何でもOKです。

    ストリーミングサービスが普及して音楽が気軽に消費されている、なんてことが言われて久しいですが、自分が自力で見つけたイイ曲はプロセスを問わず、自分の中でかけがえのない曲になります。

    (改めて書くと自分が当時の新鮮な感動を忘れつつあって反省…)

     

    また、ディグの副次的な効果である、自分にとって未知で、好きじゃない、理解できない音楽に出会えることも自分がディグってる理由の一つです。

    丹下桜 - Dancin' in Moonlight みたいな曲を探して、中古CDを勘で買ったり、Spotifyで声優楽曲を探したりし始めて、全然好きじゃない曲を大量に聴きました。不思議なもので、次第にアリと思える曲が増えてきて、面白がれるようになったんですね。上の図で言えば、自分の横軸が広がるのがディグの醍醐味でもあります。

     

    www.youtube.com↑何とは言いませんが、今では大好きな曲です。


     How to Dig?どうディグるか?

    現状、Diggerが「どんな」曲を見つけたか、の情報はまだ共有されますが、「どのように」掘っているのかはほとんど共有されません。

    より良い方法がシェアされて、イイ曲がより多く発見された方が、文化が前進すると思います。僭越ながらまずは自分が「どのように」掘っているかをまとめます。

     

    なお、偉そうに言っていますが、自分のディグ手法は、偉大な先人各位から多大な影響を受けています。多謝…

    dialogbox.dropouters.comspacetimeさん主催イベント「dialog box」の声優楽曲DJ回のレポート記事(行きたかった…)

    記事後半にディグの話が出てきます。

     

    ディグは一般的に、レコード店やCDショップ、中古CD販売店でする行為と認識されていますが、ネット通販、ネットオークション、CDレンタル、ストリーミングサービス、図書館、SNSなど様々な手段があります。

    それぞれの特性をまとめたのが下表です。

     f:id:ka1uto:20210503233026p:plain

    (4C分析はマーケティングフレームワークで、それっぽく整理できたので使いましたが、コミュニケーションの軸の意味は本来とは異なります)

     

    これらのサービスを適材適所で使い分けながら、音源を探していきます。

    「曲を知る・聴く」と、「音源を買う・借りる」の2つのテーマで、どのように使っていくか、自分なりのやり方を紹介します。

    曲を知る・聴く

    曲を知るには、なんらかの方針=「ディグの軸」を設定する場合と、しない場合があります。軸を設定する場合から紹介します。

     

    代表的な「ディグの軸」となるのは、wikipediaのアルバム記事用テンプレを見て分かるように、

    f:id:ka1uto:20210503170335p:plain

    • アーティスト名
    • リリース年、年代
    • ジャンル
    • レーベル
    • プロデューサー、作曲家、作詞家、アレンジャー

    が挙げられます。

     

    それぞれの軸でどう曲を探すか、自分なりのやり方を紹介します。

     

    アーティスト名

    アーティスト名で辿る方法は、非常にシンプルです。GoogleTSUTAYA、GEO、駿河屋、各種配信サイト、YoutubeSpotify等々で検索すればいいだけ。

    自分が声優楽曲を掘り始めた時は、ひたすら気になった声優さんの名前をSpotifyで検索し、イイ曲をプレイリストに突っ込むのを繰り返していました。それでできたのがこちら。

    open.spotify.comこれを作った時もそうでしたが、声優楽曲という区切りだと、そもそも声優さんのことを知らないと調べられる名前も限られてきます。

    声優グランプリが出している「声優名鑑」や、更新は止まっていますが、「声優データベース」 http://lain.gr.jp/voicedb を使うのも手です。自分の場合は、キャラソンアルバムを掘るうちに、色んな声優さんの名前を覚えて広げていきました。

     

    年代

    誰しも90年代の声優楽曲が好きだな〜 もっと知りたいな〜と感じる時があると思います。その年代に流行っていたジャンルや時代独特の音像に惹かれる時は、年代を決めて調べます。

    一番使えるのは、駿河屋です。ジャンルを「声優」に指定した上で、「発売年」でさらに絞り込んで検索したり、「発売日」で並べ替えることが可能です。90年代の知らない作品で気軽に買える価格ならとりあえずカートに入れておく、といった使い方をしています。

    f:id:ka1uto:20210503220610p:plain

    発売年を2000年に指定しています。てか「お散歩ハウス」かなり値上がりしてません?
    また、「声優データベース」から声優さんの年齢を50代に絞り込み、声優名を縦にyoutubespotify等に打ち込んで調べることもあります。

    年齢別リスト(50代) - 声優データベース

     

    「新譜」を年代の一つとして扱うと、話は変わります。新譜は「アニソンブログ ア・ラ・カルト」の「今週のアニソンCD・BD/DVDリリース情報」を拝読しチェックしています。

    anison-alacarte.hatenablog.comこれなしでは、新譜を相当漏らしてしまいます。追い続けるのはなかなかハードですが、時間が許す限り聴くように努めています。

     

    ジャンル

    声優楽曲はジャンルじゃないと思っているので、ここでは声優楽曲の中のR&Bやハウス等を探す方法になります。

    まずはTwitter検索。「声優 2step」等で検索してみましょう。「流星ガーデン」以外にもイイ曲がたくさん見つかるはずです(先人に感謝…)。

    自力で探すとなると、TSUTAYAディスカス検索が使えます。「声優 ハウス」で検索してみましょう。

    f:id:ka1uto:20210503174525p:plain

    これは「ラビットハウス」が引っかかっていますね。。

    諦めずにドラッグしていくと・・・出てきました!

    f:id:ka1uto:20210503174943p:plain

     

    f:id:ka1uto:20210503175318p:plain

    (カサナリアルは90sハウスなのか…)

    このようにTSUTAYAディスカスの検索は意外と柔軟性があります。検索だけでも活用しましよう。

     

    レーベル

    「このレーベル、音作りがしっかりしているな」「前聴いて良かったあのアルバムもこのレーベルだな」といった形でレーベルに興味を持つことがあります。好きなプロデューサーが関わっている作品が一つのレーベルに固まっていることもあります。(昔はレーベル買いなんて言葉もありましたが、最近めっきり聞きませんね)

    レーベル指定検索ができるのは、中古通販だと駿河屋ぐらいでしょうか。ストリーミングサービスだとSpotifyではレーベル検索ができます。(他サービスは分からず…)

    f:id:ka1uto:20210503182542p:plain

     

    プロデューサー、作曲家、作詞家、編曲家

    すごい曲に出会った時、「この曲誰が作ったんだ?!」と気になるのは人の世の常というもの。
    TSUTAYAディスカスは作曲家、作詞家検索に対応しています。便利〜

    f:id:ka1uto:20210503212749p:plain

    歌ネットでも作曲家、作詞家検索ができます。

    f:id:ka1uto:20210503214833p:plain

    編曲家、プロデューサーを検索するのは難しい…イイ方法あったら教えて欲しいです。

    たま〜にやるのは、音楽制作事務所の作家ページを見て縦に聴くぐらいです。

    supalove.com

    「軸」を中心にしたディグをご紹介してきましたが、大事なのは「軸」にこだわりすぎないことだと思います。例えば、Spotifyでアーティスト名で検索してみると、キャラソン名義も出てきます。

    f:id:ka1uto:20210503223052p:plain

    軸からズレた時こそ、「出会い」のチャンスです。ブックオフ290円棚で言うと、背表紙が日焼けしたなんとなく気になるCDを見つけた時ぐらいチャンスです(何でもブックオフで例えるな)。

    自分で「軸」を設定したディグは、自分が決めた方向性でしか掘れません。だからこそ偶然の出会いを大切にしていきましょう。なんか意識高くなっちゃいました。。。

     

    続いて、「軸」を設定しない場合のディグり方の紹介です。

    基本スタンスは、「気になった曲全部聴く、CD全部買う」になります。当然失敗や時間、金銭の浪費もしますが、個人的には一番「ディグやってんねえ!」と感じる、楽しい分野です。

    「軸なし」ディグでは、中古CD販売店の実店舗が最強です。YoutubeSNSは自分が入力した内容やアルゴリズムに一部誘導された形でしか情報は出てきませんが、実店舗では全く予期しないCDとの出会いがあります。(もちろんアルゴリズムが悪というわけではないのですが、それって誰かが一回聴いた履歴を辿っているわけで、そこから外れたい欲望があります。)

    とりあえずブックオフ290円棚の前に立ってよく知らないけど、面白そうな盤を手当たり次第買うのが吉です。だんだんジャケットの雰囲気で自分の好きな盤が分かるようになってきます。自分は打率2割5分ぐらいですが・・・

    page.auctions.yahoo.co.jp折笠愛さんで一番好きな曲「冷たい雨が降る」収録、確かまんだらけで引いた記憶

    また、ディグとは少し異なりますが、SNSで同様のディグをしている同士をフォローしておくのも、偶然の出会いを引き寄せる上で非常に重要です(いつもありがとうございます!)。
    「どこまで聴いているんだよ・・・」と思ってしまうような化け物ディガーが音源情報を共有してくれたら、ありがたく聴きにいきましょう。世界は互酬で回っていると思うので、自分もとっておきの音源を見つけたら、なるべく共有するようにはしています。一人じゃ掘れない音源も、みんなで掘ればたどり着けるんです(?)。 カルチャーを前に進めていきましょう。

     

    「音源を買う・借りる」

    ストリーミングサービス、動画サイト、SNSで見つけた曲を買う・借りる時には、様々な選択肢があります。

     

    f:id:ka1uto:20210503233026p:plain

    (再掲)

    なお、最初に断っておくと、自分はエアコンがあるのに一度も付けてくれなかった吝嗇家の家庭に育ったからか、かなりケチくさいというかコスパ厨なところがあります。。

    旧譜に関してはゲオ宅配レンタルの旧作55円セールが最も安価です。

    「55円セール」は名前だけ見ると、まるで年に一度の大安売りのようですが、実際月2回ほど開催されています。一回最大40枚借りることができ、送料を含めると86円/枚という安さで助かっています。ただし、2枚組CDはTSUTAYAディスカスの方が安いです。

    新譜およびマニアックなアルバムはTSUTAYAディスカスが最も向いています。

    在庫の量はゲオ宅配レンタルより豊富な感覚があります。TSUTAYAディスカスの最大の特徴は新譜を借りようが旧譜を借りようが、月額料金は一定という点です。新譜を全部買えないので、買えなかったアルバムはディスカスを利用しています。

    なお、TSUTAYAディスカスのCD単価は、届いたCDをその日中にさっさと返却することで、次の発送が翌日になってグンと単価が下がります(100円/枚切ります)。TSUTAYAディスカスを徹底活用したい人は在宅勤務をするか、仕事を辞めましょう。

    実店舗でのレンタルは、SHIBUYA TSUTAYAレベルの在庫がある店舗じゃないとあまりやる意味がないのでは…というのが個人の感想です。

    実店舗のディグの醍醐味は今商業的に価値がないとされている作品の中から、知られざる名曲を見つけられることで、なるべく回転数の高いCDを置きがちなレンタル店ではそういった出会いはあまり期待しづらいです。DJ予定があったりして、新譜を確実に即借りたい時はSHIBUYA TSUTAYAが堅いかもしれません。

    図書館(自分が利用しているのは目黒区立図書館)は無料なのが強すぎる、そしてマニアックな在庫が意外とあります。

    例えば、目黒区立図書館には白鳥由里さんのオリジナルアルバムが全部あります。

     詳しいディグり方は、ながいさんの以下ブログに譲ります(勉強させてもらいました!)。

    salondetenitorucd.hatenablog.com

    中古CD販売店は、先述の通り、ピュアな偶然の出会いを提供してくれる点で最強です。ブックオフを筆頭に、ハードオフまんだらけらしんばん、その他オタクショップのCDラックに宝が埋まっています。早くコロナが落ち着いたら、地方のリサイクルショップを巡りたい。

    中古CDのネット販売は、入手しづらいCDを場合によっては安価で手に入れられます。とはいえ、送料だったり謎の手数料だったりを取られるので、めっちゃ安いということもないです。ほしいCDはちゃんと入荷待ちリストに登録して、他のディガーに負けないよう急いで買えるようにすると吉です。駿河屋やブックオフオンラインは時たまセールをやるので、活用していきましょう。

    ネットオークションは、うまく使えば相当安くCDを揃えられます。特にメルカリは、最安でシングル盤を送料込み300円で買えるので多用しています。特典券が付いているようなシングルは、新譜でも割とすぐ安値で出品されています。また、ヤフオクで「アニメ CD まとめ」で検索して50枚ぐらいまとめ売りされているのを、福袋感覚で買うのも楽しいです。

    f:id:ka1uto:20210504002923p:plain

    CDショップは買いたい新譜がある時に使っています(当たり前か…)。自分のディグの場では正直ないです。


    音源配信サイトは、新譜でCDを買うほどでもない(失礼)場合や、CD化まで待てない時に使います。そして実は曲探しにも使えます。

    f:id:ka1uto:20210504005724p:plain

    「CV 声優名」で検索して縦に並べて試聴できるのはmoraだけ?ストリーミングにないキャラソン掘る時に便利です。

    以上、自分の音源入手方法はこんな具合です。

    長々と書きましたが、ディグは楽しい趣味だと思います。知らないイイ曲に出会って世界が広がっていく瞬間には、何物にも替えがたい喜びがあります。音楽に留まらず、もっと色んなコンテンツをディグっていきたい所存です。

    みんなも思い思いの方法でイイ音楽を見つけて、音源を手に入れて、楽しいMusic Life、DJ LifeをEnjoyしてください!そしてイイ曲を教えてくれ!!!

     

    おまけ:ディグTips

     思いつくままに細か〜いTipsを書いていきます。思い出したら追記するかも。

    • ゲオ55円セールは、セール開始直後に見ると借りられるCDが多い気がする
    • Spotifyは「label:レーベル名」で検索できるんだけど、美少女ゲーム音源のレーベルなど有名じゃないところを掘る時にちょっとだけ重宝する
    • Spotifyはジャンル検索で「anime cv」を指定するとキャラソンだけ出てくるけど、網羅率は低め
    • ヤフオクがたまに出す「300円以上の商品を100円引き」のクーポンを使うと、安いCDが底値で買えがち
    • Spotifyでディグっている人をSpotify上でフォローすると、PC版Spotifyで右に出てくる「友達のアクティビティ」で今何を聴いているかが見れて、そこからイイ曲に出会えることもある(なおフォローされても通知が来るわけではない)
    • DJが現場後に上げる演奏履歴の画像を、Google DocでOCRかけてテキスト化して検索して曲を集めると楽

    みんなもイイTipsがあれば「#ディグTips」を付けて投稿してくれよな!

    #Juke_Vox Vol.14に出演しました

    カルトです。

    普段はブックオフでCDを買ったり、図書館でCDを借りたり、GEOオンライン55円セールでCDを借りたり、dアニメストアを見たり、声優さんのフリートをスクショしたりして暮らしています。

     

    去る3/6(土)、声優楽曲イベント "Juke Vox" @秋葉原mogra に出演させていただきました。

    Juke Voxは自分がDJを始めるきっかけになった大切なイベントで、演者として出ることができて感無量でした。Juke Voxとの出会いと、当日どんな思いで選曲したのか、書き残しておきます。

     

    声優楽曲イベント"Juke Vox"とは

    「良い声の良い曲で踊る」

    をコンセプトに、声優さんが歌唱している曲だけがかかり続けるクラブイベントです。

    自分はこのコンセプトがとても好きです。

    「声優楽曲」はあらゆる音楽ジャンルが含まれうる概念のため、直球にクラブユースな曲から、いわゆるシティポップ、R&B、テクノポップHIPHOP、サンバ、J-ROCK、バラードetc… なんでもかかります。

    DJ各位が自分の思う「良い曲」を紡いで「踊らせる」、愛と熱量がこもった選曲が、とても楽しいパーティーです。

    「声優楽曲」という踊らせることに特化していないジャンルであるがゆえに、DJ各位のDig力が開陳され、全く知らなかった「良い曲」と出会えたり、既知の曲でも「良い曲」として「踊らされて」しまったりする驚きと快感に満ちています。

    そしてやはり声優さんが歌っているだけあって全部「良い声」なのも嬉しい…

     あらゆる音楽好き、クラバーにオススメできるイベントです。

    www.mixcloud.com(↑レギュラーDJのinuiさんのJuke Vox プロモーションmix。今夜はParty Night - 野川さくらは最高。 )

     

    Juke Voxに遊びに行ってDJを始めた話

    自分は2018年末に声優楽曲を掘り始めて、声優楽曲イベントにも遊びに行くようになりました。2019年10月のVol.10にも伺いました。

    画像

    (↑コロナ以降はなかなかできない豪華ゲストの貴重な回でしたね…)

    出演DJの方とお話しして「それだけ声優楽曲好きなんだったら絶対DJ始めた方が良い」「DDJ-400なら3万もせずに買えるよ」とアドバイスいただきました。とりあえず持っていたNumark Party mixをいじって遊び始めていたら、コロナの感染拡大が本格化。

    すっかりイベントに行くことも叶わなくなり、自分でやっていくしかない!ということでDDJ-400を購入した次第です。

     

    https://twitter.com/karuto0101/status/1273208573623848961?s=20

    https://twitter.com/karuto0101/status/1273208573623848961?s=20

    その後は練習を兼ねてDJmixを毎月製作していました。mix録るの超楽しい!

    www.mixcloud.com
    mix経由でいくつかイベントにも出演させていただき、大変ありがたかったです。全員mixを録りましょう。

    きっかけを与えてくれたJuke Vox並びにDJ諸氏には本当に感謝しています。


    出演にあたり意識したこと

    Juke Vox出演のお話をいただいた時、まず 「声優楽曲の面白さ」とは何か考え直しました。

    「声優楽曲の面白さ」は、やはりジャンルの混淆さだと思っています。

    色んなジャンルの曲があるという意味でもそうですし、ジャンル同士のキメラのような曲、分類不能な曲などなど、歌モノのフォーマットの中で何でもできてしまうのが魅力だと思っています。

    open.spotify.com(↑こういう謎の名曲を見つけた時の快感と言ったら…)


    声優楽曲の多様さを示しつつ、自分なりの「良い声の良い曲で踊る」を実現するために、自分が「良い曲」だと思う曲を、幅広く媚びずにかけていくぞ!
    と胸を借りる気持ちで選曲しました。
    自分の「良い」「好き」をちゃんと出せた時に、そのDJの個性が出せるはずで、それがJuke Voxの楽しさの根底にあると思うからです。

    また、色んな出会いをくれた声優楽曲(概念)へのリスペクトと感謝も込めるぞ!
    という意気込みもありました。
    先人が築き上げてくれた晴れ舞台に立つわけですから、これも選曲テーマから外せませんでした。

    当日かけた曲

    以降はかけた曲の紹介です。

     

    https://twitter.com/karuto0101/status/1368206398685802509?s=20

    https://twitter.com/karuto0101/status/1368206398685802509?s=2その場で選曲するスキルはないので、ゴリゴリ仕込んだプレイリストを作った後、被りそうな曲のバックアップを考える、というやり方でいつも準備しています。

    他のDJさんがmix製作後やイベント後に曲紹介やっているの見て、「めっちゃ勉強になるし、自分で後から見返しても面白いだろうな〜」と思ってずっとやりたかったんですよね。満を辞してやらしていただきます。

     

    1 . Love Wing (Super Remix) - アイドル防衛隊ハミングバード

    youtu.beまずは元祖アイドル声優グループであるハミングバード玉川紗己子さん、天野由梨さん、三石琴乃さん、草地章江さん、椎名へきるさん)楽曲から。ボーカルから入るので交代時もつなぎやすい安心仕様。ベスト盤に収録のRemixバージョンで、ビッグなビートが効いています。

    ハミングバード(アニメ)は豪華声優が5姉妹を演じているので、実質五等分の花嫁。

    www.nicovideo.jp(↑椎名へきるさんが可愛すぎる!)


    2 . レネット - μ (上田麗奈)

    youtu.be

    私は上田麗奈さんを応援しています。1st LIVE "Imagination Colors"の配信全員見てください。

    大名盤"empathy"の曲はよくプレイされているのですが、あまり光の当たらないこちらのキャラソンも聴いてほしい!ということでかけました。Love Wingのビートをループさせて、サビで一気に切り替えるの気持ちよかったです。

     

    3 . いちごコンプリート(Jelly mix) - 伊藤千佳千葉紗子)、松岡美羽折笠富美子)、桜木茉莉川澄綾子)、アナ・コッポラ能登麻美子

    youtu.be声優エレクトロニカの名曲にして極北。DJ WILDPARTY氏もお気に入りらしいです。アンビエントでチルな雰囲気に持っていきたかったのでぴったりでした。

    確認したらこのRemix、編曲も作曲した渡辺剛氏がやっていて驚きました。Animetic Love Letter - 宮森あおい&安原絵麻&坂木しずか(CV:木村珠莉佳村はるか千菅春香)の仕事でも知られる作家さんです。幅広い芸風の持ち主でキャラソン仕事が多い方なので、探して掘らないとですね…

     

    4 . Live On The Ground - 沢城 みゆき

    www.nicovideo.jp

    自分らしい曲を序盤にかけておきたく、この辺りからニューエイジアンビエントなラインをかけていきます。

    おとぎ銃士赤ずきんのキャラソンはマジの名曲揃い。このニューエイジ感覚で聴けるラテン〜南米フィーリングの…、なんていうジャンルの曲なんでしょうね… こういう謎の曲でも踊るのが楽しい、踊れば少しだけ分かる気がします。

     

    5 . Thinner Tiny Glamour - 白鳥由里

    youtu.be

    ニューエイジなフィーリングを保ったままこの曲を。

    激遅リキッドファンクとでも言うべきトラックに、白鳥由里さんの儚げなボーカル、少女趣味(岡崎京子的少女像)が重なったサイケデリックな世界観は唯一無二。大名盤の4thアルバム"ニコル"には新居昭乃氏を始め、穂刈久明氏、松前公高氏、菊地成孔氏など要人が参加しており、レフトフィールドな声優アルバムの金字塔として屹立しています。

     

     6 . 告白星 - サンドリオン

    www.youtube.comスターダストプロモーション声優部所属の女性声優ユニット、サンドリオン(黒木ほの香さん、小峯愛未さん、小山百代さん、汐入あすかさん、成海瑠奈さん)の2020年リリースのシングルより。

    作詞:児⽟⾬⼦ 作曲:4s4ki 編曲:ヒゲドライバー

    Chorus & Additional Arrangement:辻林美穂

     の文字列を見た時はひっくり返りましたね…聴いたら「ヒゲドライバーさんこんな仕事もできるの?」とまた仰天しました。ちゃんとしたヘッドフォンでボーカルのパン振りとリバーブの掛け方聴いてみてください。国宝です。

    「私が神様なら告白なんて作らなかったのにな」に代表される、切っ先鋭い歌詞も要注目。勝手に同性愛の悲恋を歌った歌だと解釈しています(百合と言いたくない)。

    open.spotify.com(↑内容は全然違いますが、切なさで言えばこの系統)

    7 . HONEST -happy a word- - Happy Around! (西尾夕香, 各務華梨, 三村遙佳, 志崎樺音)

    www.youtube.comそろそろ盛り上がる曲かけるぞ〜ということで、2020年最高アニメーションD4DJからラップ曲をチョイス。まさかBPM88の曲出してくると思わなくて、聴いた瞬間購入が確定しました。

    誇り高いこのサンセットステージ 奮い立たせよう負けんじゃねえ

    Juke Voxが漏れにとってのサンセットステージや…の気持ちで気合い入れ直しました。愛本りんくさん、大鳴門むにさんありがとうございました。

    8 . I'll be→I wanna be - 高山やなぎ(早見沙織)

    www.nicovideo.jp早見沙織さんの隠れた名曲。福井の田舎の高校生がこんなカッチョいいR&B歌うのか?とは思いますが、その背伸びした感じも堪らないです。ぜひフルで聴いてほしい。ただただイイ曲すぎて言うことがあまりない…


    9 . rhythm - MICHII HARUKA x BVDDHASTEP

    www.youtube.com声優・道井悠さんと作曲家ユニットBVDDHASTEPのプロジェクトの1stアルバムより。
    販売ページに「クラブでかけてもよし!」と明記されているので、んじゃあかけるぞ〜!と…

    booth.pm明確にローファイ・ヒップホップを意識した声優楽曲はまだ少ないですが、この曲は気怠げなボーカルと相まって良い湯加減です。"Howling"は他にもクラブユースな名曲揃いでDJされる方なら、絶対に買っておいて損はないアルバムです。激推薦!


    10 . affinity featuring 平間樹里 - Bohemian Quarter featuring voice...

    open.spotify.com今回のDJの個人的なノルマの一つとして「アルバム"Blister Pack Voices"から一曲かける」というのがありました。
    "Bohemian Quarter"は作詞家の松井五郎氏と作曲家Jin Nakamura(EXILE - Ti Amoの方です)の豪華ユニットです。従来の歌作品や朗読とは一線を画した、「ポエトリーミュージック」というジャンルを指向するために結成されたそうです。
    で、この1stアルバムでは、女性声優10人が松井氏のディストピアSFチックな詩で、「ポエトリーミュージック」していくのですが、声優それぞれの解釈や個性が如実に現れています。どこまで歌として歌うか、どう抑揚を付けるか・付けないか、感情を乗せるか・乗せないか…声の表現の巧みさを堪能できる、声優楽曲で最も面白い作品の一つだと思っています。

    affinityは途中から3/4拍でLow Cat Echoかけてダブっぽくして、次の浮遊感あるトラックに繋ぎました。

    11 . あしたの手 - 能登麻美子

    www.youtube.com作詞作曲・橋本由香利。作詞も?!となった曲です。こんな素晴らしい歌詞ないですよ。

    ありったけの気持ちで アイシテルってつぶやく
    昨日までの想いあふれ サラサラとけてく

    これっきりの祈りで 伝わればいいのに
    確かめあえる言葉をくれて 神様ありがと

    明日二人は手をのばして
    いつもよりも強く握りあう
    明日は二人は手をのばして
    抱き合って キスをして 愛しあう

    「本当のこと知りたいだけなのに 夏休みはもう終わり」の「本当のこと」ってこれのことらしいです。これを能登麻美子さんが歌ってくれたことも含め奇跡。
    間奏の轟音ギターパートが好きすぎて、そこに飛ばして次につないでいます。


    12 . Sweet Fighter - 後藤沙緒里

    www.nicovideo.jp後藤沙緒里さんのインスタグラムが更新される度に絶叫しています。
    ここから春っぽい曲パートです。後藤さんのボーカルでこんな甘いR&B歌われたら死んじゃいますよ。作詞のさくら名義はおそらく丹下桜さん。歌詞読むと「っぽい〜」となります。

    試食づくりは まだまだ続く
    パパにも お兄ちゃんたちにも
    愛犬ルル(♂)も おすそわけ
    みんな甘党で よかったわ~

    突如登場する愛犬ルル好き。

    www.youtube.com(↑劇薬)

    13 . チョコレートコスモス - 飯塚雅弓

    チョコレートコスモス

    チョコレートコスモス

    • provided courtesy of iTunes

    music.apple.comチョコレート繋ぎ、かつ春の歌で。

    茶色い花からチョコの匂いがする“チョコレートコスモス
    バレンタインの頃には咲くことができずに春を待つ花

    飯塚雅弓さんのパッションあふれる声で悲恋について歌われると、グッと切なさがこみ上げます。落ちサビで崩れ落ちるやつです。

    でもね、春が訪れたのはあなたと出逢えたから
    ありがと。心まであったかいよ。

    ここは完全に自分と声優楽曲(概念)の出会いについて歌ってくれていますね。出会いに感謝…

     

    14 . 毎日コハルビヨリ - 雪村あおい (井口裕香) & 倉上ひなた (阿澄佳奈)

    www.nicovideo.jpチョコレートコスモスの「ゆらゆら揺れて… やさしい春をありがとう。」から

    「ありがとうの言葉 木漏れ日みたいで、いいね♪」に"ありがとう"で繋いでいます。

    ありがとう
    いつもとなりにいてくれて
    それだけでもう何もいらなかったよ

    ここも完全に自分の声優楽曲(概念)への感謝を歌ってくれていますね。

    2番サビ終わりからBPM95→127になるトランジションを使い、「いつだって ひとりじゃない そう」の「そ〜」を1拍でループさせながら繋いでいます。

    15 . take_one - 夏目美緒 (磯部花凛) ,森川葉月 (芳野由奈),小宮恵那 (Lynn)

    www.youtube.comJust Because!では小宮さんが好きです、Lynnさんのキャラで一番好き。

    思春期の感情の揺らぎを描くアニメのキャラソンで、基本ループするトラックにウワモノの機微で展開していく曲を作るの理解度が高すぎます。

    justbecause.jp
    16 . Good Conversation - 花澤香菜

    recochoku.jpJust Because!はGood Conversationを試みるアニメでしたね…ということで。

    もしも 時を戻り 自分に会えたなら
    聞きたい あの日をもう のりこえたかな

    もしも 未来へ行き 話ができたなら
    おしえて 今日のわたしを 誇れますか

    小宮恵那さんのソロ曲か?

    花澤香菜さんは初めてライブに行った声優さんです。2015年のBlue Avenueのツアー。"We are so in Love"で爆踊りした記憶があります。花澤香菜さんの活躍がなければ、声優楽曲や声優楽曲DJシーンに興味を持つのがずっと遅れていたと思うので、感謝の意を込めて流させていただきました。


    17 . アメノアトニ ~Brighter Days Ahead~ - 今井麻美

    www.youtube.comちょうどイベント当日も雨上がりでしたし、リクエスト(?)も来ていたので、かけるしかなかったです。音が良すぎて逆に違和感なく繋ぐのが難しい曲筆頭です。

     

    18 . 恋愛の時空 - 折笠愛

    www.youtube.com声優楽曲DJシーンに興味を持った入り口が声優レアグルーヴで、90年代声優楽曲が自分のルーツです。リスペクトを示すためにこちらのアンセムを、一番良いところでかけたかった。。。自分で流しておいて半泣きでした。

    知ってるかァ。。。天地ィ、お・ま・つ・りってのはちょいと待ってりゃまた必ずやってくるんだぜぇ・・・

    またみんなでお祭りやりたいです。

     

    19 . ソールに花びら - 田所あずさ

    www.youtube.com90sアンセムから一気に2021年の作品に戻します。
    "Waver"、挑戦的で全曲クオリティの高い凄まじいアルバムでしたね。
    1番のお気に入りの曲がこちらです。

    Can't stand it any more!!

    毒をのむ ユーモアが 溢れ出す
    ダメな自分を ただ

    笑い飛ばして 明日も 生き抜くんだ

    可笑しさには傷がある

    Lonesome boy meets girl
    癒すには ユーモアの 処方箋
    オーバードーズ気味 でも

    君が纏ってる 可笑しさとっても 好きよ

    こんな「やっていき精神」100%の歌を歌えるのは本当にカッコイイです。

    味がある可笑しさを纏える大人になりたいものです。

     

    www.youtube.com(↑田所さんと作家チームによる全曲解説が聞けます。聞きましょう。)


    20 . 生きる - 安野希世乃

    www.youtube.comソールに花びらの「ダメな自分を ただ 笑い飛ばして 明日も 生き抜くんだ」から「生きる」繋ぎです。ご存知の通りドアンセムです。生で聴いた時は喰らいました…

    長いことかけるとイベント終わりみたいになってしまうので、Cメロ飛ばしして大サビまで待たず、次の曲に繋いでいます(大サビまでかけてしまうと全部流すか、一回切るぐらいしかなさそうというのもあります)。


    21 . タイヨウの下へ - しらほし (ゆかな)

    www.youtube.com次のケトンさんにはクラブユースな曲で渡したいと思いこちらをかけました。

    ゆかなさんのウィスパーボイスたまんないっす。気持ちのいい低音が出てどんどんクラブでかかってほしい曲の一つです。

     

    以上、全21曲でした!全部超イイ曲!ありがとうございました!

     

    漏れが今度Juke_Voxで聴きたい曲は…

    次回はお客さんとして楽しみたい〜ということで勝手にリクエストします。
    DJ各位どうぞよしなに!

    www.youtube.com

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    www.youtube.com

    www.youtube.com

    終わりに

    Juke Vox Vol.14、出演させてもらえてとても楽しかったです。

    他の出演DJさんも自分の好きを出した最高のプレーが続いて、もう一回客として観たいぐらいです。

    www.twitch.tv(↑mograのTwitchサブスクライバー限定ですがアーカイブが見れます!)

    声優楽曲はやっぱり懐が深くて面白いですし、DJ行為もまだまだやれることたくさんあって楽しいです。こんな時世ではありますが、「やっていき精神」で面白い音楽を見つけて、面白く流すことにまだまだ執心していく所存です。

    またデカい音が鳴る薄暗い空間でお会いしましょう!カルトでした〜

    www.youtube.com

     

     

     

    カルト選Top20:lightmellowbu presents 90年代シティポップ名曲ランキング

    カルトです。

    普段はブックオフでCDを買ったり、図書館でCDを借りたり、GEOオンライン55円セールでCDを借りたりして暮らしています。
    声優さんの曲でDJをしたりもします。https://www.mixcloud.com/karuto/

    今年は敬愛するlightmellowbuの「90年代シティポップ名曲ランキング best50」にお声がけいただき参加しました。

    ●50位→26位

    lightmellowbu.blog.fc2.com

     

    ●25位→1位

    lightmellowbu.blog.fc2.com

    当時幼かった自分にとって、90年代の記憶は終始薄ぼんやりとしています。後から読んだ・見た情報と合わさって、どこか他人の思い出のようです。90年代を想起した時に思い浮かぶイメージを列挙してみると、
    不景気、コギャル、たまごっち、ウィンドウズ95発売日、ジュリアナ東京ビーイング系JPOP、クラブジャズ、10代の凶悪犯罪、アムラー渋谷系、世紀末ブーム、エヴァンゲリオン無印良品グランジ、鬼畜系、小室サウンドetc…
    自分の中の90年代のイメージは混沌としていて、誰がどんな生活をしているか掴めませんでした。そんな風景も、90年代シティポップを聴くようになって、少し解像度が上がりました。どこか「本当のこと」「本当の90年代の生活」を歌っている気がしました。いや、実際そんなREALな歌詞では全くないんですが、、こんな歌が消費されていた、聴いていた人々がいたと、あの時代に触れられたような気がしました。

    また、Vaporwave以降の現代シティポップに乗れなかった自分にとって、90年代シティポップはちゃんと都市生活を歌っていると感じました。それが愛おしく、羨ましいとも思っています。

    そんな後追いとして、2020年の今、90年代シティポップに感じた魅力を残しておくべく、以下したためました。ご笑覧のほど、どうぞよろしくお願いします。

     


    20位 DOWN TOWN GAME~feat. CAPTAIN GEORGE - GWINKO
    収録アルバム - 東京UKIUKIガール / 発表年 - 1991
    シティポップではないです。
    東京で暮らす20代女性の生活をデフォルメした歌詞がギラギラ輝いてます。軽薄な消費生活を彩るのにこれ以上ない、粒子が荒いNJSサウンドに、二日酔いとかしたことなさそうなGWINKOのパンチのあるボーカルが乗って満点です。90年代NJSランキングなら1位でした。

     

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    19位 ポップアート - かせきさいだぁ

    収録アルバム - SKYNUTS/ 発表年 - 1998

    作曲は南佳孝。80s以前のポップス観と00s以降のシティポップ観を足して2で割ったら、結果的にmid90s感が出てしまったように感じられる曲調です。南佳孝に曲書いてもらって、高気圧ガールのオマージュやるセンスは、どうしようもなく90年代。 

     

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    18位 STAR LIGHTにキスして - 木野まこと篠原恵美

    収録アルバム - 美少女戦士セーラームーンR ~未来へ向かって~/ 発表年 - 1993
    某有名トラックメイカー氏がサンプリングしていることでも知られる名曲。この曲自体もジャネット・ジャクソンのEscapadeをモロパクリっぽいです。逆Future Funkですね(?)。篠原恵美さんの淡白な歌唱に、ハリボテのような打ち込みとコーラスがバチっとハマって、全てがニセモノであるが故のホンモノになっています。篠原恵美さん本人名義のアルバムはR&B、シティポップ系が小粒揃いなのでそちらもオススメ。

     

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    17位 Peach Melda - 古内東子

    収録アルバム - Hug/ 発表年 - 1992
    他の人も上位に付けるだろう…と日和って、この順位に。OLシティポップの中でも珠玉の一品です。元気のない吉田美和のような古内東子の歌唱は、セクシーな一方、どこか等身大の自分を仮託できる親しみやすさもあります。打ち込み系の後に聴くと、生音の録音クオリティが高くてビビります。

     

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    16位 語らない - 稲垣潤一

    収録アルバム - J's DIMENSION/ 発表年 - 1995
    作曲:小森田実、ありがとう!の一言で終わらせてしまいたくなるような小森田節全開のダンスナンバー。リリース当時の記憶はないはずなのに、既聴感が凄まじいのは何故?

     

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    15位 kissの行方 - 金月真美

    収録アルバム - Touch and Go/ 発表年 - 1998

    ときめきメモリアル藤崎詩織役で有名な声優、金月真美さん。彼女の声は高音倍音成分が特徴的で甘美で艶やかなんですが、イヤラしくない。声だけでクリーンなリゾートが成立する強さがあります。MILK宮島律子氏作曲のトラックは、軽快なハウス調でカッティングとサックスがひたすらに爽やか。リゾートの追い討ち状態です。

     

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    14位 ALL IS VANITY - 角松敏生

    収録アルバム - ALL IS VANITY/ 発表年 - 1991

    80年代にシティポップを歌っていた歌手が、90年代に入ってから内省的な曲を歌うようになるケースが散見されます(うち7割は環境問題について歌っている気がします)。公私の波乱を経た角松敏生が、"どこへ流れていくの 真夏の吐息に疲れたままで"と歌うこの曲は、特にヘヴィー。フュージョン寄りAORな演奏は、乾いた街に似つかわしい哀愁と切れ味鋭さで、歌を盛り立てます。 

     

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    13位 Speed of Love - 水野愛日

    収録アルバム - Joyful/ 発表年 - 1999
    一部の方には説明不要な声優レアグルーヴのアンセム。作曲は長岡成貢。日本の歌モノハウスJ-POPはこの人抜きには語れません。疾走感あふれるCity感覚はSuchmos - STAY TUNEまで地続きです(本当に?)。

     

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    12位 DARLIN' - 吉田美和

    収録アルバム - beauty and harmony/ 発表年 - 1995
    lightmellowbu柴崎さんのブログ CDさん太郎 VOL.23 2020/1/4、5購入盤にて知ったアルバムから。Spotifyで聴いてひっくり返ってしまいました。アル・シュミットによる録音が美しいのなんの…吉田のリラックスした歌唱と、脇を固めるアメリカの超絶豪華ミュージシャンの演奏が互いに引き立て合う、まさにbeauty and harmonyなバランスでミックスされています。

     

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    11位 みつめる愛で - SIng Like Talking

    収録アルバム - DISCOVERY/ 発表年 - 1995

    DISCOVERYはポップとフュージョン要素がうまく融合した、彼らの代表作だと思います。その中でもポップ、かつメロウなこちらをチョイス。間奏のピアノ→コンプでペコペコになったギターソロ→コーラスの流れ、完璧です。

     

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    10位 恋は流星 SHOOTING STAR OF LOVE - 米光美保

    収録アルバム - FOREVER/ 発表年 - 1995
    角松敏生プロデュースの2ndアルバムから、吉田美奈子の超有名曲カバーをチョイス。吉田版と聴き比べると、その煌びやかさに驚くはず。80年代以前のシティポップと現代シティポップを繋ぐ楽曲だと勝手に思っています。何がアドオンされ、何が地続きで、何が削ぎ落とされたか、考えながら聴くだけで楽しい一曲。

     

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    9位 白夜 - Wink

    収録アルバム - Each side of screen/ 発表年 - 1992

    中後期Winkは、ハウスやディスコ成分が増して名曲が多いです。その中でも広谷順子作曲のこのメロウチューンが白眉。常時ボーカルにかかった靄のようなリバーブを聴いているだけで胸がいっぱいになります。遅回しにするだけでVaporwave(サブジャンルでいうところのlate-nite lofi?)になりそうなPVも最高。

     

    www.youtube.com

     

    8位 DRIVE - ICE

    収録アルバム - We're In The Mood/ 発表年 - 1996
    lightmellowbuランキングにてレビュー済みのため割愛。

     

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    7位 Candy - 具島直子

    収録アルバム - miss.G/ 発表年 - 1996

    無駄な音、展開が一つもない奇跡のような一曲。シンプルなコード進行が繰り返され、盛り上がるサビもなく、彼女の切ない歌声に身を委ねるだけで、どうしてこんなに心揺さぶられるのでしょう…

     

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    6位 ニュータウン - キリンジ

    収録アルバム - ペーパードライヴァーズミュージック/ 発表年 - 1998

    00年代以降のシティポップ興隆に欠かせない存在である彼らが、90年代に放った名曲。都市の周縁に暮らす人々の不安と恋愛を、映画的に描く歌詞が秀逸です。曲調ははっぴぃえんど的シティポップで、こんな郊外的感覚の歌詞を載せていいんだ、という衝撃がありました。ある種、キミとボクのセカイ系な雰囲気もあります。「花とおくたん」(高橋しん)がアニメ化するときはEDにしてほしいです。

     

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    5位 メビウス - 比屋定篤子

    収録アルバム - ささやかれた夢の話/ 発表年 - 1999

    ラテン、ブラジル音楽をシティポップに取り入れる流れは90年代後半から散見されます。それが最も幸福な形で結実したのは、メビウスでしょう。何より西脇辰弥氏の編曲仕事が素晴らしいです。元々チャレンジングな曲をポップに、かつ原曲・そしてブラジル音楽へのリスペクトを込めたアレンジは、冨田ラボも絶賛したそう。

    open.spotify.com

    4位 Sunny Summer Days - Trade Love

    収録アルバム - paradise door/ 発表年 - 1995

    アルバム持ってません!高い!

    ビーイングを通したデジタル・シティポップという趣。強制的に夏へtune-inさせられてしまう力強さ。ぶっちぎりのリゾート力(ぢから)でランクイン。

     

    youtu.be


    3位 とっておきの季節 - 楠瀬誠志郎

    収録アルバム - 素晴らしい恋をしよう/ 発表年 - 1992

     王者の貫禄を感じます。どの曲を選ぶか迷いましたが、どこを切っても90年代の夏が溢れてくるこちらを。山下達郎の影響力も、間接的に感じさせられます。

    nico.ms


    2位 大切な休日 - 笠原弘子

    収録アルバム - さよならがくれたのは/ 発表年 - 1994

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    以下蛇足。
    これキャラソンなんですよね。OLシティポップはOLが自身を仮託して聴けることが要請されるのですが、その点自分を出さない声優歌唱をさせたら一級品の笠原さんは、OLを演じ切っています。この系統のOL声優楽曲で言うと、高橋美佳子『超プラドル』というアルバムもオススメです。

     

    www.youtube.com
    1位 Melody - 崎谷健次郎

    収録アルバム - ただ一度だけの永遠/ 発表年 - 1990

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    思い入れで言うと、『大切な休日』が上なのですが、曲の美しさがズバ抜けているので、こちらを一位にしました。ジャケットの柄シャツと似たのをずっと探しているのですが、永久に見からさなそうです。

     

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