かるとばこ

カルトのブログ

2023年好きなアルバム・好きな声優楽曲9選

ハロめぐ〜

 

カルトです。
普段は音楽を聴いたり、アニメを見たり、クラブに行ったり、アプリ「Link!Like!ラブライブ!」を通して蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブの皆様を応援したりして暮らしています。

 

DJもしています。

soundcloud.com

去年はDJとして、色んなイベントに出させてもらったり、主催イベント(闇のアニソンクラブイベント、通称 #dアニマ)を開催させていただいたり、様々な機会や出会いをいただきました。感謝…。

 

(以降は自分語りなのでスルーしてOKです)

特にdアニマは、声優楽曲を聴き二次元コンテンツを愛好するかたわら、オルタナティブ電子音楽やロックを聴いてきた人間として、一つの集大成ができた気がしています。

「あらゆる手段を総動員して、あなたが見ている、感じている景色を時間芸術として見せてほしい」というのが、あらゆるDJに対する思いなので、つまりは「あなたのアニメが見たい」ってことなんですよね…分かりづらいご依頼に応えてくださった出演者の皆様には本当に感服しました。

またやりたい、やります。

そういった経験もあってか、リスナーとしては、音の質感・味だけでなく、曲やアルバムの持つストーリー性というか、構造・展開としての快楽への関心が強まりました。
そして、その両取りができる作品をよく聴いた気がします。

 

また、下半期はラブライブ!の新シリーズ「蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ」にドハマりして生活を破壊しています。
何をやっているかというと、月2回のストーリー更新、週3回の生配信、ラジオ、声優番組、出演声優のニコ生の視聴、月2回のゲーム内イベントへの参加などです。
マジのガチで時間がなくなっています。また、金沢にスタンプラリーに行ったり、1stツアー全公演に参加したりもしました。
しんどいかと言われるともう体が最適化されてきて、単にめちゃくちゃ楽しいです。

行こうよ!
なんだってやっちゃえば楽しい
いまを頑張ることが楽しい
デコボコの道だって 大丈夫さ

Dream Belivers - 蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブMV より


ラブライブ!にリソース投下して何か得るものがあるのか、とかしょうもないことを考えるのは本当に野暮だと思いますよ。
新自由主義はカス。一瞬一瞬で一生なんですよ。
真剣に日々芸術と他者(ここに我々”蓮ノ空のこと好き好きクラブの皆さん”も含まれる!)に向き合う彼女らの姿勢に対してできる最低限が、彼女達に真剣に向き合うことじゃないですか。それで私が何らか成長したり、新しい何かを得られたら儲け物ですが、そんなことはどうでもいいでしょう。
今、俺は礼儀の話をしている。
というか最近「なんちゃらを通してなんちゃらが得られるコンテンツです!」みたいなの多くないですか?オタク側が勝手にそういう消費をしていたり…
さもしいですよ。真面目に向き合いましょう。ラブライブ!にも音楽にも芸術にも生活にも。


(以上、自分語りでした。ここからアルバム紹介に入ります)

 

ほないくで〜

 

2023年好きなアルバム9選

順不同です。

Hinemosphere - Lily Fury

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去年は人生で一番ファンアートやSSに触れる機会が多かった一年でした(蓮のおかげです)。特に「百合」と呼称され、時に自称するジャンルの作品が大半でした。そこで繰り広げられる想像力は、基本的に一人称のキャラクターが他のキャラクターに対して抱いている感情(好意、友情、愛情、嫉妬など)を推し量り、あり得たかもしれない行為・言動に落とし込んでいくものです。

マルチプレイヤーであり、百合のオタクでもあるLily Fury氏のEPは、アンビエントシューゲイザーオルタナティブメタル、ポストハードコアなどの多様なジャンルが幸福に混ざり合っています。ここで私が「幸福」と言うのは、一つのストーリーに貫かれ、ただ継ぎ接ぎされたのではない一貫性があるからです。本作は1人の少女ライカと1体のアンドロイドの物語が、「アンドロイドによるモノローグ」と「それに続く楽曲」と言う順序で展開されます。それぞれの詞と音が物語に寄り添い、祈り、やるせない怒り・絶望、もどかしさ、慈愛などの感情を描き出します。それも説明的なものではなく、想像の余地を残す力加減が素晴らしい。モノローグ=一人称による語りであり、話者がアンドロイドであることから、2人に関する情報はかなり制限されるのですが、時に激しく歪むディストーションギター、優しく包むアンビエンス、切なく響くアルペジオが、彼女たちの旅路を幻視させてくれます。

私たちは彼女たちのあらゆる表情を想像することができます。#4 Lilium Aquarium で眠るライカを見つめているアンドロイドの彼女、その無表情ながら悲痛さを湛えた瞳を想像して、私たちは涙することができます。Hinemosphereは優れた一次創作としての強度がありつつも、その余白と、叙景的想像力を喚起するサウンドで、私たちは同時に二次創作をしてしまう。二次創作を誘発することは優れた一次創作の条件とも言えるわけですが、音楽作品においてこのような体験をしたのは初めてでした。#dアニマに出てもらえたことは一生の誇りです。

 

Atlas - Laurel Halo

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何をどうやったらこの音が出力できるのか意味が分からないです。ピアノとストリングス、サンプル音源がリバーブの海で溶け合い、アートワークのような夕暮れどきの仄暗さと青さがチラチラと揺れています。テクスチャーだけで大大大大大好きなんですが、このアルバムのすごいところはそのキャッチーさにあると感じます。

キャッチーと言っても別に歌モノであるわけでも、明確なメロがあるわけでもなく、むしろ不協和音や予想できない展開など、一般的には聴きづらい要素の方が多いです。それでもこの音塊に惹かれてしまうのは、どの音もまるでそこにただ在って自然発生したかのような、開かれ方をしているからでしょう。一音一音が”ちゃんと”減衰し、霞んで、消えていく。押し付けるようなエモーショナルさはなく、ただ自分の回路に引っかかる情景が自ずと出力されてしまう。アンビエントというジャンルの現代最先端でありながら、アンビエントのこういうところが好きなんだよな…と再確認させてくれる作品でした。Disintegration Loops - William Basinskiと一緒に墓場まで持っていきたい一枚です。


Se Bueno - TURQUOISEDEATH

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いわゆる20年代以降のブレイクコアシューゲイザーの接近は去年あたりから言われて来ましたが、その総決算となる一枚です。客演に2 0 2 1、Parannoul、Asian Glow、BrokenTeeth、Astrophysicsですよ。全員いるじゃん… 20年代のシューゲを拡張して来た重要アクトが集結しています。 

特にParannoul、Asian Glowとの共作 #5 Diveが素晴らしいです。エモ、シューゲイズ、ブレイクコア、インディートロニカ全部やって甘美な墜落とでも言うような世界観を描いています。こんな曲聴いたことない…

そして、強いメンツが集まって強い曲を書いた、というだけで終わらないのがこのアルバムなんですよね。

www.youtube.comトレイラーにあるように、本作はアリスというTURQUOISEDEATHの持ちキャラ(?)で、アートワークにもいる少女の冒険譚となっています。詳しくはRYMのインタビューを参照してください。アニメやゲームからの影響を公言しているジャンルではありますが、こういった物語性の強い作品を出してくることはそう多くはなかったので、グッと来ます。そして、本作のバンドキャンプには”Write your own story.”と一言。痺れました… アルバムというものの可能性を感じた一年でしたが、それを象徴する一枚にもなりました。

 

つくる - ひとひら

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日本の若手シューゲ、ポストロックシーン面白いのでは?と去年kurayamisakaのアルバムが出るあたりで思い始めて、ちょくちょく国内の若手バンドを聴くようにしていたのですが、これが頭抜けて良かったです。ずっと本気で言っているのですが、MyGO!!!!と対バンしてほしいです。エモ、ポストハードコアのサウンドを中心に据え、内省的な日本語詞と、ポップセンスが光るメロディーを乗せるスタイルは両者に共通しています。(#6. 遠くなる (が戻る) /nothing にMyGO!!!!!の春日影を彷彿とさせるアルペジオがあってオオ〜となったりしました)

ひとひらの場合、エモといってもAmerican Football的なUSエモの影響を強く感じさせつつも、シューゲイズ、ポストロックの要素を織り交ぜるのが非常に巧みです。前提として、ギターの音作りがめちゃくちゃに上手い。轟音もクリーンも嫌らしくない温かい音で構成されています。時にシャウトを織り交ぜながらも、淡々としたボーカルは、しっかり歌詞が聴き取れるようにミックスされています。このバランスはどことなくJ-Rock的でもあります(ひとひらがどんな国内音楽から影響を受けているかはかなり気になっています)。
歌詞の世界観は、オタク的で申し訳ないのですが、閉塞した地方都市に住む女子高生が主人公のアニメを想起しました。試しに「ワンダーエッグプライオリティ」を無音再生しながら、聴くとめちゃくちゃ合う… というか#12 こわす、完全に「ワンダーエッグプライオリティ」では?凄… 今一番アニソンを書いてほしいバンドです。

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t - Samuele Strufaldi, Tommaso Rosati & Francesco Gherardi

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2023年の何も分からねえけど好き枠筆頭。聴くたびこれになっています。

どういうメンバーでどういう編成なのかとか書こうかと思ったけど、エレキングのこれ以上のことは分からなかったので以下読んでください。

www.ele-king.net

映像見た方が早いかも、マジでかっこいいです。

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急に全然知らない音が鳴って面白いのと、展開はかなりポップなので、気軽に聴けてしまい、聴くたび首を傾げています。狐につままれる系のエクスペリメンタル。前半はそれなりにシリアスですが、後半はユーモアも覗かせて、最後は泣ける曲で締めるというアニメ的展開も憎めないです。


Revanchist - Evian Christ

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音がデカくて最高です。寡作の天才がようやく出した1stアルバム。ハイパートランスが隆盛しクラブで聴く機会が増えたような気がする2023年でしたが、彼のアルバムはトランスの範疇に止まらない、宗教的な興奮を与える一枚でした。2023年の最初に行った現場が某野外レイブで、Ultra (Yung Sherman Remix) - Evian Christを聴いたのもあり、去年の思い出深いアーティストです。歪みやリバーブの彼方に見る恍惚はシューゲイザーの感覚とも通底します。
あとこれは直接関係ないんですけど、本作を聴いている過程で、Spacemen 3 がやろうとしていたこと、つまりファズ踏んでシンプルなコードをクソデカい音でかき鳴らし続けるのって、実はトランスの恍惚を得たかったんじゃないか?という気付きがありました(妄想かもしれませんが)。アッパー系変性意識の方がシラフの人間にも響きやすいという感覚があるのですが、来年ぐらいまではそっちが流行るかなあ…Spacemen3は解散後、超ざっくり言うとSpectrumとSpiritualizedに分裂して、変性意識へのアプローチをそれぞれ変えるのですが、2024年以降のトランスがどうなるのか注目していきたいです。


경치 - 경치(gyeongchi)

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韓国はソウルのアーティストっぽいのですが詳細不明。ご存知の方いたら教えてください。日常系アニメのサウンドトラックのような可愛らしさがありつつも、どこか一筋縄ではいかないグリッチやエフェクトの使い方で、聴き込むほどに味が出てくるエレクトロニカ〜トイトロニカ。Evan Callあたりと絡んでサントラ出してほしいなあ…
アンビエント萌えアニメでアホの子がアホなこと言い出した時に流れる曲→トロピカルな音ゲー的ハウスになる #7 mapleが特にお気に入り。
続けてくれたら絶対面白い作品を沢山出してくれそうで、応援していきたい作家です。

 

album.link

シカゴのエレクトロニックトリオのアルバム。足首まで水につかる洞窟の中、水面には明かりが浮かんでいる。その光は徐々に分裂したり、色を変えたりして形を留めない。そんな中一歩一歩、洞窟の奥へと足を進めていく。そんなダブアンビエントな一枚。仕事が丁寧すぎて笑えてくるぐらい、一音一音が研ぎ澄まされています。#3 Stadium Driveのパン振りとか… ここまで静謐で美しい音があると、それだけでなぜか勇気づけられます。Atlasと並んで2023年のテクスチャー大賞を与えたい傑作です。

 

Lamp - 一夜のペーソス

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榊原さんは声が良すぎるので声優やってほしい。自分はずっとLamp渚にて羅針盤のうたものサイケの文脈で見ていて、本作でもガッツリ幻想的なサイケデリアを描き出してくれていて圧倒されました。特にアルバム後半の#17 朝靄の中へから最終曲 未だ見ぬ夜明けの流れは圧巻でした。#17の琴をまるでシタールのように用いたカラフルな間奏あたりから意識がグラつき始めて、#18の分厚く丸いストリングス、#19の甘美なピアノ、#20の永井氏の多声ボーカルで向こう側に持っていかれます。
このアルバムのミックスの「丸さ」や「広がり」は、アナログな録音を頑張ればできるようなものでもない気がしていて、実際、インタビュー(https://tokion.jp/2023/11/30/interview-lamp/)でも「王道ではない」と語られています。分かりやすかった部分で言えば、例えば永井氏のボーカルを少し右にパンを振りながら、声にかけたエコーの残響は左にだけ返して空間を出す、といった工夫がなされています。聴くたびに心地よく、聴くたびに発見がある作品でした。

 

ぜえぜえ…以上アルバム9選でした。
他にも同じぐらい好きだった作品はこちら↓

Sol X Sempre - Blu Boi
Fukushima - Podel
MAKTUB - JJJ
MOMOKO blooms in 1.26D - MON/KU 
divine:analogue - c678924

好きな曲詰めるだけ詰めたプレイリストはこちら↓

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2023年好きな声優楽曲9選

去年も声優楽曲オモロでした。声優最高!

Lily (feat. nayuta) - Celestial Lily

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これより美しい曲は去年1曲も出ていません。完璧です。至上。イデア界から来たとしか思えない。フォーリーサウンドから始まり、nayutaの呟くような歌唱に両耳にベル、下からは謎の音塊となった重低音ベース。ボーカルは時折、グリッチされ、デジタルの粒子と化す。セリフパートから再び歌、ストリングスへと流麗に繋がるが、そこに待つのは崩壊。電子のカケラとなり、崩れさるその刹那の美しさ…レヴュースターライト?(何でもアニメくん)。

あまりにも凄い曲すぎて紹介する順番が逆になっていますが、Celestial Lilyはヴァイオリニストで作詞作曲編曲もこなす岩嵜壮志氏のソロプロジェクトです。岩嵜氏と言えば、はちみつと時空旅行。 - 遥そらというとんでもない名曲も手がけられています。去年も言っていた気がしますが、今後の活動が楽しみすぎますし、声の扱い方が非常に丁寧なので、どんどん声優さんに曲を書いてほしいです。


点と線 - 伊藤美来

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全国民がFODに加入したと言われている最高のきららアニメ「星屑テレパス」のOP。作曲編曲坂部剛様、本当にありがとう。坂部剛氏といえば、声優楽曲ファン的には山崎エリイさんの「ラズベリーパーク」や和氣あず未さんの「恋する日常」など、繰り返しを効果的に使った壮大な楽曲のイメージが強い作家です。「点と線」はまさに本領発揮でした。

モールス信号を思わせるパルスが特徴的なイントロから、3拍子で展開。サビ前に1番なら「想う、繋ぐ、届く。」と呟くパート、ここが凄い。楽器が抜けて、シンセパッドとピアノのアルペジオと声の楽器三つだけになるのですが、完全にこれロケット発車前のカウントダウンをモチーフにしてるんですよね。歌声とウィスパー声を被せているのも、緊張感があります。ここからサビ直前に「シュパン!」という発射音がさりげなく入って、一気にキック、ストリングスが奔流するサビとなる流れ、あまりにアニメすぎる!2:52からの間奏〜ラスサビの展開も素晴らしいです。ストリングスとキラキラSEが軽快に跳ね周り、ボーカルが「果てしない世界 キラリ照らす 光 宙の彼方」と歌いつつ、左右にパン振りされていく様子は、作中の重要な舞台である灯台を想起させます。この場所って、メインキャラクター4人にとって大切な場所で、特に物語の後半では成長の舞台になっています。ラスサビの歌詞の1番との差分、12話まで見ると彼女達の成長の軌跡を描いていることがわかるので、FODに加入して星屑テレパスをぜひ見てください。sakai asuka様のサントラをBD特典にした以外は最高のアニメでした!

 

https://twitter.com/rasuko_okuma/status/1737111265452212396/photo/1


❤︎ちゅーどく❤︎ - 陽向葵ゅか

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DLsiteを1秒でも使ったことのある方ならご存知であろう、同人音声界隈では知らない人のいない声優、陽向葵ゅか様。2023年内にDLsiteで発売された成人向け音声は300本を超えるようです(筆者調べ)。そして実はお歌もお上手なんです。でも、せっかくこれだけ音声作品に出られているのですから、それを活かした曲が聴きたいなあと想うのが人の欲。

理想的な形でかなえてくれたのは、作詞作曲編曲を手がける、おにきよ氏。自身が音声作品レーベルのレジスタンス和歌山の主催を勤めながら、楽曲制作もされています。そう、「【楽曲収録】絶対秘密だよっ?♪大人気アイドルのプライベートおまんこでドエロファンサすたーとぉっ♪~背徳密着エロエロさんどでい~っぱいガチ恋ぴゅっぴゅしてねっ♪~」で最高の声優2step「未熟な変光星」を産んだ作曲家とレーベルでもあります。

さて、❤︎ちゅーどく❤︎ですが、ストレートな萌え萌え4つ打ちかと思いきや、ピアノとスネアでジャズ感をキープしており、セクシー寄りな声と歌詞にマッチします。注目は2番というかセリフパート。ここでM向け音声、メスガキ音声、催眠音声のクリシェ的なセリフが右耳、左耳、中央上から聴こえます。そしてビートもトラップに変化。頭がおかしくなる。

❤︎ちゅーどく❤︎ MVのセリフパート部分

他にも音声作品的表現を活用しているパートや大胆不敵な転調など盛り沢山な楽曲で一瞬足りとも油断できません。それでいて全部陽向葵ゅかを表現する上でいらない部分がないというのが凄い。感服しました。


シュガー・シュガー・スパイス (キャラ歌唱版) - ヒタム・キャン (礒部花凜)、メイデナ・アンジェ (渋谷彩乃)、トキシッコ・ダナー (大地 葉)、ハナバタ・ノーキンス (鎌倉有那)、ノマ・ルーン (白砂沙帆)

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お前は不徳のギルドで誰が好きなんだよ!漏れは………トキシッコ………

お色気ギャグでいて、バトルものとしても成長譚としても楽しめてしまう謎の名作アニメ「不徳のギルド」。アニメ自体は2022年秋でしたが、曲は23年リリースなので含めさせてもらいます(鉄の意思)。

EDは栗林みな実さん歌唱、三好啓太さん作曲のアコースティックなスウィングポップス。三好先生の幅広いレパートリーの中でも、Cafe Parade - Delicious Delivery系統の、甘いストリングスが特徴的です。もちろん栗林さんの歌唱版も素晴らしかったのですが、最終話EDで突然キャラ歌唱版が流れた瞬間に号泣… がっつりキャラ歌唱で楽しそうに歌う声に、彼女達とのこれまでの日々を思い出しちゃって…そんでもってサビ中で転調するの嬉しすぎ。
加えて特筆すべきはリリース形態です。てっきりBD特典かと思いきや、サントラ収録、ダウンロード販売あり、フル歌唱(!)と、ありがたかったです。イイ曲がたくさん聴かれるのって本当に嬉しいですね。

音一会 - MyGO!!!!!

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MyGO!!!!!はアニメからがっつりハマってバンドリアニメの1〜3期も全部見ました。バンドリ、最高のアニメーション。要楽奈さん、長崎そよさん、市ヶ谷有咲さん、鳰原令王那さんが好きです。

MyGO!!!!!へ関心を持つきっかけになったのがこの曲でした。ガチでポストハードコアやってます!BPM200超え、ツインペダルでツービートを刻みながら、ポエトリーリーディングが乗る構成に、まずはこんな声優楽曲があるんか?!という感想を抱きました。確かにenvyっぽくはあるのですが、メタリックな要素は少なく、エモやメロコアの影響を強く感じます。他の曲だとKEYTALK銀杏BOYZと近いものがあったり、04 limited sazabysをカバーしていたり、音自体はエモ、パンクに影響を受けている日本のバンドの流れにあると思います。ライブも拝見しましたが、ギターの青木さんの立ち振る舞いってかなりメロコア系なんですよね〜 あと林鼓子さんのドラムが音量デカすぎて笑顔。
ポエトリーリーディングをやるポストハードコアバンドはいくつかありますが、MyGO!!!!!の特異性はやはりボーカル羊宮妃那さん(高松燈役)による鬼気迫る発声でしょう。単に声優ならでは、という範疇に止まらない、キャラクターが見てきた景色をよくよく咀嚼して、なんとか絞り出したような言葉に、ニュアンスに、胸がえぐられます。MyGO!!!!!のストーリーを知ってからは、より一層…「言葉」を大切にした燈が「言葉」によって引き裂かれる、それでもなお「言葉」を信じ続けている、だからこそ燈が書けたリリックだと分かり、涙腺がやられます。

この曲自体とは関係ないですが、お仕事に真剣な羊宮さんご本人のお人柄を知っていると、一言一言のニュアンスをよく噛み締めなければ…とMyGO!!!!!楽曲と向き合っています。羊宮さんのことをより知りたい方は、毎週火曜日20時からの超A&G+で放送中「A&G NEXT STEP 羊宮妃那のHOOOOPE!」を聴いて一緒に苦しみましょう。

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黎明を穿つ - トゲナシトゲアリ

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2022年を代表する二次元コンテンツのバンドは?そうですね、結束バンドです。では、2023年は?その通り、MyGO!!!!!です。では2024年は?そう、トゲナシトゲアリですね!(予言)

といっても、すでに23年時点で、Youtubeで「爆ぜて咲く」が1000万回再生されているので、もう流行っているのかもしれません。X(旧Twitter)のフォロワーは2,3人ぐらいしか聴いていないが…

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2024年4月放送予定のアニメ「ガールズバンドクライ」に登場するバンドの楽曲です。リアルバンドでも活動しており、バンドメンバーが声優も務めています。全曲agehaspringsがプロデュースしており、爽快なガールズロックを………全然やっていません…!暗いです!「既成概念ぶち壊し系エモり散らかしロックバンド」というテーマが掲げられていますが、ギャルバン!メロコア!のつもりで聴くと痛い目に合います。

ジャンルで言うと広い意味でポストハードコアなのかなあ…いわゆる鬱ロックという感じではなく、the cabs的な暗さです。歌詞世界は主に「自分自身」や「世界」に対する鬱屈した感情が歌われることが多いです。「黎明を穿つ」は対世界の曲ですね。めちゃくちゃバズった「爆ぜて咲く」は「君」が出てくる歌詞でしたが、トゲトゲでは珍しい方です。2023年の「世界」ってかなり終わっているんですが、「世界終わっているよ!」と言ってくれる二次元コンテンツ楽曲は、個人的な観測範囲内でかなり少なかったです。それがいいとか悪いとかではないんですが、トゲナシトゲアリのそういう姿勢、つまり「世界」に対して異議申し立てをするところがカッコイイです。このバンドが川崎を舞台にアニメやるんですよね、海老塚ちゃんは吉野家でバイトしてるっぽいし… 世界に対して、彼女らがどういう答えをぶつけるのか、4月のアニメ放送が楽しみです!

www.youtube.com海老塚ちゃん萌えなのだ、ルパともで狂う備えをしています。

 

ド!ド!ド! - みらくらぱーく!

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蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ所属のユニット「みらくらぱーく!」の楽曲です。以降は蓮ノ空のこと好き好きクラブ(蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブのファンの総称)としての感想が混ざってくるので冷静なレビューではない可能性があります。あと蓮ノ空のストーリーのネタバレが含まれる可能性があるのでご注意下さい

というか、個人ブログの感想なんて冷静である必要なんてないでしょう、どいつもこいつも澄ました顔で一、二行のレビューもどき書いて…お前ら本当にその曲が好きなの?RYMを縦に並べただけじゃね?いやそれは各個人の自由ですね、すみません。

さて、一聴すると一般的な電波っぽいアイドルソングで、実際その類の曲としてかなりクオリティが高いです。飛びポ、クラップ、コールアンドレスポンスでライブ中盛り上がれるのもいいね。大沢瑠璃乃さん(CV.菅叶和 様)の萌え声も嬉しすぎ。ライブ中萌え声が嬉しすぎて泣くことあるんだ…ってなりました。

この曲は「藤島慈さんが怪我でスクールアイドル活動を休止せざるを得ず、海外留学から帰ってくる大沢瑠璃乃さんの帰国を待ちながら一年あっためていた曲」という背景情報が加わってから、完全に泣き曲になってしまいました。ライブでイントロが鳴った瞬間に泣いてしまう…「ドン詰まりこそ 無敵になるモチベーション」って歌詞を踊れなくなってから書いていた藤島慈さんがさあ…それを大沢瑠璃乃さんがとびきり元気で優しい声で迎えるわけですよ…書きながら泣けてきました。とりあえず活動記録10話まで読んでください。

なんのレビューにもなっていなくて自分でもびっくりしています。

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パラレルダンサー - DOLLCHESTRA

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蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ所属のユニット「DOLLCHESTRA」の楽曲です。夕霧綴理さんという人間の話をする前に楽曲の紹介を。Chillhop的なイントロからゆったり始まり、サビでドラムンになる構成がかっこいいです。ドルケの中でも屈指の踊れる曲ですね。はい、楽曲についてはこれぐらいでいいでしょうか。もう楽曲のブログでもなくなってきました。

えっと、夕霧綴理さんって急にモチーフを持ち出して具体物を例にお話されることが多いのですが、彼女の繊細な言語センスが私はとても好きです。

この曲では、街(おそらく香林坊周辺)で相方の村野さやかさんとウィンドウショッピング中に、あれが似合うこれが似合うと話していたんですよね。1番で「わたし今夜パラレルダンサー」と歌われるのはガラスに写った私の姿のこと。「空高く羽ばたいて 願い全部叶えるダンサー」とは想像上の世界であれが着たいこれが着たいと話している様でしょう。

2番では、そこから空想の世界から戻ってスクールアイドルの世界に着地します。「キラキラじゃなくたって わたしずっとパラレルダンサー」。ここで言う「パラレル」って、鏡写しになるユニットの相方、村野さやかさんのことなんですよね!!!えー、鏡のモチーフを転換するのが上手すぎます。彼女たちが自分たちを「成長中なら良いじゃん」って評していること、「踊りましょうアーユーレディ?」→「OK」 って掛け合いしていることの美しさよ。

ドルケってお互いに欠けた部分があって、成長する部分は成長する、補う部分は補い合うというすごくいいバランスでここまでやってきたユニットなんですよ。この2人で行けるところまで行こう、スクールアイドルという芸術を魅せつけてやろう、「今ならすごいことが出来そうだ」という決意表明の一曲です。


素顔のピクセル - スリーズブーケ

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蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ所属のユニット「スリーズブーケ」の楽曲です。音楽の話も一応しておきますね。軽妙なギターリフが乗るイントロが印象的。乙宗梢さんはギターソロ結構弾きますよね、機械さんとの相性悪いけどツインリバーブ壊したりしてないか心配になってきた。カッティングが心地いいギターポップで進み、1番Bメロだけ突然トラップが入るところが面白いです(2番は普通にドラムアレンジ)。サビのメロディーとベースの動きが気持ち良すぎます。コード進行的にも面白いことをやっているらしいのですが、自分はよく分からないのでパスです。曲の話はこれぐらいでいいですかね。。。

えっと、蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブには、「伝統曲」という制度があります。スリーズブーケなどのユニット自体が、先輩から受け継いだもので、例えば2017年にもスリーズブーケがいて全く違うスクールアイドルが、別の曲を歌っていたのでしょう。で、過去のユニットが作った曲を「伝統曲」として受け継いでいくわけです。

「素顔のピクセル」は伝統曲で、流石にアレンジは最近やったのでしょうが、歌詞はほぼ当時のままだと考えていいでしょう。つまり、現スリーズブーケの日野下花帆さんと乙宗梢さんは、伝統曲のストックの中からこれが自分たちにしっくりくると考えてこの曲を歌うことを選択したわけです。「楽しいも大切も大好きも そこにある一瞬を永遠にしよう」「何ひとつ無駄じゃない ワンピクセルのかけがえの無い今」という歌詞は蓮ノ空の一瞬一瞬を大切に日々を過ごすというテーマにぴったりですが、過去にもこの一瞬をこんなにも切実に大事にしていた関係性のユニットがいた、ということが重要です。当時の2人にも、今のスリーズブーケと同じぐらい、煌く日々があったということ、その途方もなさにクラクラしてしまいました。考えてみたら当たり前のことです。有限の時間は過ぎ去り、当時のスリーズブーケはスクールアイドルを辞め、私たちはもう観測することが出来ません。でも、この曲でモチーフとされている写真のように、曲として残されたことで「そこにある一瞬」が「永遠」になった。ここに芸術の、メディアの普遍的な存在意義を思い知らされました。そして、この曲が蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ102期生乙宗梢と、103期生日野下花帆の曲として上書きされ、将来のスクールアイドルクラブに引き継がれるということの尊さよ…何度もアレンジを繰り返され、もう原型を留めなくなった524期スリーズブーケの素顔のピクセルを聴いてみたいものです。この曲が私たちにぴったりだと思う彼女たちと、日野下花帆さん・乙宗梢さんが繋がる、そんな奇跡を見てみたいと思いました。文化が継承されていくことの美しさってそういうことじゃないですか。破壊が絶対に伴うこと、それでも何かが残ることに、美しさがあります。

で、それで言うと乙宗梢さんが日野下花帆さんのことが好きすぎて書いた「Holiday∞Holiday」も伝統曲になる可能性があるんですよ。

www.youtube.comこの事実、嬉しいなあ。でも、流石にキモすぎるからないか…まあ、素顔のピクセルも「手を振る逆光の彼方 急ぎ足の街が 寂しがり屋にする 夜は長い 夢に逢うまでは」と、あまりに美しい日本語で、相方が好きすぎることを描写しているので、ホリホリもいつかまた歌われるのかなあ。こんな風に伝承の場面とその美しさを想起できた、ありがたい曲でした…

 

それ以外の声優楽曲で気になった曲を突っ込んだプレイリストはこちら!↓

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以上2023年好きなアルバム・好きな声優楽曲9選でした。
2024年も楽しく音楽聴いていきましょう!
バイめぐ〜〜〜